ウルルのようなオレンジをまとって。
カンガルー革で仕立てた「キャングロ」

赤く乾いた大地にこつ然と姿を現すウルル。
巨大な一枚岩でできた山は、
エアーズロックの名でも親しまれています。
朝日や夕日を浴びた光景は美しく神秘的。
そんなウルルのようなオレンジをまとって、しなやかに逞しく。
オーストラリアの大自然を映したような、
カンガルー革の財布が仲間入りです。

軽さとやわらかさを併せ持ち
堅牢さも魅力のカンガルー革

素材は、gentenでも取り扱うことが珍しい希少なカンガルー革。キャングロ（Canguro）とは、伊語でカンガルーのことです。

オーストラリアでは家畜として放牧もされているカンガルー。その革は、牛革などと同じ畜産の副産物です。

カンガルー革の特徴は、繊維の密度が高く、軽くて薄いながらも引っ張りや引き裂きに強いこと。それは、サッカーのスパイクシューズなどのフットウェアに多用されることでもわかります。

大自然の中で過ごすカンガルーだからこそ、素材そのものに個体差があります。筋のように入る“トラ”※のほかキズやシミもありますが、ストレスなく自由に過ごし、時には喧嘩っ早い面もあるカンガルーならでは。革の持つキズやムラなどを「個性」として隠さずに、染料で最低限の仕上げのみを施しています。

革のつくり手は、イタリア・トスカーナ州のタンナー「コンチェリア・ミリアム」社。トスカーナで伝統的に受け継がれているバケッタ製法で鞣しました。

革に触れると、しなやかで手のひらに吸い付くような仕上がり。革の内部に多様なオイルを含ませることで上質な手触りになります。

革の感触を存分に楽しんでいただけるよう、ステッチは控えめにし、金具も表面に出ないよう工夫しています。財布という手のひらで触れる機会の多いアイテムだからこそ、カンガルー革の魅力をより感じることができます。

※皮を鞣して平らな革にした際、皮のダブつき部分が筋状の痕として残り、染色した際に周りの色との差異が出る部分。基本的に品質上の問題はなく、天然の革である証、欧米などでは革の個性として親しまれている。

それでは、でき上がった3型の財布をご紹介していきます。

長財布は、すっきりと薄づくりでありながら、どこかやさしげな表情。縁の仕上げは袋縫いのため、縫い目による硬さがなく、やわらかな手触りをお楽しみいただけます。

内装には、贅沢にカーフ（仔牛革）を使用しています。

開閉用のホックなどはなく、二つに折りたたむだけのシンプルなつくりです。中を開けると十分なカードポケットと札入れ、ファスナー付き小銭入れ。確かな収容力がありながらもかさばらないのは、薄くて丈夫なカンガルー革ならでは。

札入れスペースにもカードポケット付き。マイナンバーカードや保険証など、大切なカードを収納するのに適しています。

余計な芯材を入れていないため、空の状態では少し頼りなく感じるかもしれません。カードやお札などを入れると程よい安定感が生まれます。

3型共通で、右下にあしらったカットワークのロゴエンボスがさりげないポイント。通常の凹版ではなく凸版で刻印しているため、ふっくらとした立体感があり、手触りのアクセントになっています。

幅、高さともに約10cmで正方形の二つ折り財布は、内側に小銭入れを備えたつくり。

こちらも長財布と同様、本体には開閉のホックなどはありません。全体を見渡せるボックス型の小銭入れは使い勝手が良く、一度使うと手放せなくなる方も多いカタチです。

ボックス型の小銭入れを外側に備えたタイプの二つ折り財布もおつくりしました。

こちらは幅約11×高さ約9cmと少しだけ横長のフォルム。ワンアクションで小銭が取り出せて使いやすさにも納得のgentenで人気の二つ折り財布です。

雄大な自然が育んだ天然素材のしなやかさと逞しさをあなたの手へ。
開放感を感じる日々をキャングロとご一緒に。

「キャングロ」は店舗、オンラインショップともに販売中です。

新品のキャングロに、日に当てて経年を進めたカンガルー革を重ねました。味わい深い経年変化を見せます。

■キャングロのお手入れについて■

キャングロの素材はカンガルー革です。愛用を重ねるごとにゆっくりと赤みが増して濃くなり、味わい深い色へと育ってゆきます。
お手入れは、gentenのクリーム類、防水スプレーはいずれも使用可能。使い初めにデリケートクリームと防水スプレーを使うと、汚れを防ぐことにもつながります。

2024年4月12日公開