視覚と味覚で涼を楽しむ
フルーツビネガーの作り方

果物をお酢に漬け込んでつくるフルーツビネガー。
さわやかな酸味が暑い季節にぴったりで、
漬け置く間の果物や氷砂糖が姿を変えるさまを
日々、眺めるのも楽しいものです。

手軽につくれるフルーツビネガーのレシピとアレンジを
料理家の江口恵子さんに教わりました。


果物×お酢×氷砂糖。
手づくりフルーツビネガー

食欲を後押ししてくれたり疲労の回復を助けてくれたりと、いろいろな健康効果を持つお酢。そんなお酢とビタミンやカリウムが豊富な果物でつくるフルーツビネガーの作り方はとてもシンプルです。

「果物を変えて4つのフルーツビネガーのレシピを用意しました。作り方はどれも同じで、お酢は、果物に合わせてりんご酢と白ワインビネガーを選んでいます。りんご酢はフルーティに、白ワインビネガーはすっきりとした味わいに仕上がります。お好みや漬ける果物に合わせて試してみてください」(江口さん)

■フルーツビネガー

【材料(作りやすい分量)】

「果物:お酢:氷砂糖は、1:1:1の割合が目安になります。果物の大きさによって量を加減したり、甘めがお好みであれば氷砂糖を増やしたりとアレンジを楽しんでみてください」(江口さん)

オレンジ ...1個
グレープフルーツ...1個
氷砂糖 ...350g
りんご酢 ...350cc

キウイフルーツ 緑、黄 ...各1個
氷砂糖 ...300g
りんご酢 ...300cc

パイナップル ... 300g
氷砂糖 ... 300g
白ワインビネガー ... 300cc

ぶどう ...300g
※今回は種なし巨峰を使用。ピオーネやレッドグローブもおすすめです。
氷砂糖 ...300g
白ワインビネガー ...300cc

【作り方】

(1)瓶を煮沸消毒する。

(2)フルーツをカットする。

「柑橘類は果肉のまわりのワタの部分は苦みがあるので包丁で取り除きます。種があるものは、大きなものだけ取り除けば大丈夫です。ぶどうは皮付きのまま入れます」(江口さん)

「今回は生の果物で作りますが、パイナップルやベリー類など、いまは冷凍のフルーツもたくさん出回っていますから活用してもいいですね。少しビネガー液が濁りやすくなりますが、冷凍フルーツの方が果汁は出やすくなると思います」(江口さん)

(3)フルーツと氷砂糖を交互に瓶に入れる。上からりんご酢または白ワインビネガーを注ぐ。

(4)日の当たらない涼しい場所に置いて1日1回瓶を振り、10日〜2週間ほど置いて氷砂糖が溶けたら飲み始められる。


左がりんご酢を注いですぐのもの。右は10日間置いたもの。

「氷砂糖が溶けて瓶を冷蔵庫へ入れる場合は、中の果物を取り除きます」(江口さん)

果物は漬けている間に少しずつ色が抜けていくものの、無駄なくおいしくいただけるそう。

「フルーツサラダにしたり刻んでドレッシングしたりと料理でも楽しめます。量があるときはピューレ状にして冷凍しておいて、チャツネ代わりにカレーの隠し味にするとおいしいですよ。ぜひお試しください」(江口さん)



フルーツビネガーで
さわやか簡単ドリンク

お酢の酸味の角がとれて果物の甘みが加わるフルーツビネガーは、暑い季節のドリンクにぴったりです。2つのアレンジを教えてもらいました。

■炭酸割り

水はもちろん、炭酸水で割るとより爽快感のあるドリンクになります。
氷を入れたグラスに大さじ1〜2杯のフルーツビネガーを入れて炭酸水を注げばでき上がり。

「溶けた氷砂糖は瓶の下にたまっているので、よく混ぜてからグラスに注ぎます」(江口さん)

■牛乳または豆乳で割ってヨーグルトドリンク風

ヨーグルトドリンク風の場合は、好みのフルーツビネガー20~40ccと牛乳または無調整豆乳200ccをよく混ぜて飲む。

「牛乳で割るとミルキーな味わい、豆乳はさっぱりとした飲み口です。どちらも軽くて飲みやすいので、朝の一杯やおやつにもおすすめですよ」(江口さん)

さわやかな酸味が夏の身体を内側から支えるフルーツビネガー。
シンプルな材料で手軽に楽しめる一品をあなたも手づくりしてみませんか。



natural food cooking/ORIDO 江口恵子(料理家・フードスタイリスト)
雑誌、広告、WEB、食品メーカーのレシピ提案、料理撮影に携わる。また、料理教室、ケータリング、カフェ、とあらゆるシチュエーションで野菜たっぷりの美味しくて体に優しい料理を伝えるべく活動を続けている。

『作って伝える郷土ほっこりおやつ』(赤ちゃんとママ社)
『子どもと一緒に季節の食しごと&保存食』(マイナビ出版)

natural food cooking
ORIDO

2023年8月11日公開