梅雨のだるさを乗り切る簡単スパイスカレーレシピ

長雨が続くと、気圧の変化や湿気によって、心身に不調を感じることも。
体調の変化を感じたら、睡眠や適度な運動に加えて、食事を見直してみませんか。

古来より健康維持として日々の食事にとり入れられてきた「スパイス」。
料理のアクセントになるだけでなく、さまざまな効能が期待できます。

「スパイス」の力を上手に活用して、夏直前、不調が現れがちな時期も健やかに。




消化促進やからだを整える
スパイスは「食べる漢方薬」

美容や健康にも高い効果を発揮するスパイスは、「食べる漢方薬」ともいわれています。
今回、梅雨時期にとりたいスパイスとその効能を江口恵子さんに伺いました。

「梅雨の時期になると胃腸機能が冷えて衰えてくるので、胃腸の動きをサポートするスパイスを使ったレシピをご紹介します。今回使用するスパイスは、スーパーマーケットなどで手軽に買えて、日常的に使いやすいので、常備しておくのにもぴったりです」(江口さん)

1.クミン
抗酸化物質を含み、消化促進、胃の働きをアップする効果が期待できます。解毒作用もあり、じめじめとした梅雨の時期には積極的に取り入れたいスパイスのひとつです。

2.カルダモン
消化を助け、胃腸の働きを後押ししてくれます。また、腸に溜まったガスを取り除く効果も。胃腸のトラブル全般をサポートしてくれます。

3.コリアンダー
健胃、消化促進作用があり、発汗を促す効果も期待できます。体の中の流れを良くしてくれるので心身ともにスッキリします。

4.ターメリック
色をつけるためのスパイス。抗炎症作用があり、消化器、肝臓の症状改善に効果があります。
疲れやすい、体が怠いなどの症状を感じたときにとっていただきたいスパイス。

5.クローブ
胃腸を温め、抗酸化、抗菌作用、鎮痛効果があります。

6.ブラックペッパー
胃腸の調子を整え、血行促進効果もあります。消化を助ける効果にも期待が持てます。

7.チリパウダー
血行促進、抗酸化、発汗作用があり新陳代謝をアップしてくれます。



簡単だけど本格的な味わい。
身近なスパイスで作る、チキンカレー


【材料(4人分)】
玉ねぎ 中2個
セロリ 1/2本
トマト 小2個

鶏モモ肉 400g
塩 小さじ1/2+小さじ1
胡椒 少々
おろししょうが 1片分
おろしにんにく 1片分
プレーンヨーグルト 100g

菜種油 大さじ1+大さじ1
クミンシード 小さじ1

A
クミンパウダー 小さじ1/2
カルダモンパウダー 小さじ1
コリアンダーシードパウダー 小さじ1
ターメリックパウダー 小さじ1
クローブパウダー 小さじ1/2
チリパウダー 小さじ1/2(お好みで)

【作り方】


(1) 玉ねぎ、セロリはみじん切り、トマトはざく切りにする。

「玉ねぎのみじん切りは、千切りの要領で薄くスライスしてから細かくカットすると、時短できれいに仕上げることができます。セロリは茎の部分だけでなく、葉の部分も爽やかな香りが楽しめるので使ってみてください」(江口さん)



(2) 鶏肉はひと口大に切り、塩(小さじ1/2)、こしょう、すりおろしたしょうがとにんにくを加え、もみ込む。

「チキンカレーに使う鶏肉は適度な脂と歯ごたえが楽しめるモモの部分がおすすめです。骨付きの手羽元でもおいしく仕上げることができますよ」(江口さん)


(3)(2)にヨーグルトを加えて鶏肉のすみずみにヨーグルトが行きわたるように混ぜてから漬け込む。漬け込み時間は常温で5~10分が目安(真夏の暑い日は冷蔵庫で20~30分を目安に漬け込む)

「ヨーグルトと鶏肉を混ぜるときは手もみが全体に行きわたるのでおすすめですが、ビニール袋やジップロックに材料を入れて袋もみでもOKです。ヨーグルトには肉を柔らかくする効果があります。ほどよい酸味が食欲を促す効果も期待できます」(江口さん)


(4)フライパンに菜種油を入れて弱火で温めたあと、クミンシードを加えてピチピチと弾けるまで炒める。
※クミンシードは油を吸収しすぎるとはじけにくくなるので、先に油を温めてから炒めるようにしてください。

「菜種油はクセがなく、熱に強い特性があるので、スパイスとの相性抜群です。先にクミンシードだけを炒めることで香りが引き立ちます」(江口さん)


(5)フライパンに(3)の鶏肉をヨーグルトごと入れて、中火で鶏肉の表面が白っぽく、軽く焼き色がつくまで両面を焼く。


(6)鍋にAのスパイスと菜種油大さじ1を入れて、中火で3~4分炒める。
※火加減が強すぎると焦げて黒くなってしまうので要注意。

「しっかりと混ぜながら炒めることでスパイスの粉っぽさがなくなります。
唐辛子がベースのチリパウダーはお好みの辛さに応じて入れてください。マイルドに仕上げたいときやお子さんが召し上がるときは入れなくてもOKです」(江口さん)

(7)鍋にカットした玉ねぎとセロリを加えてしんなりとするまで4〜5分じっくりと炒める。
※玉ねぎは炒めが甘いと辛味が残るので、しっかりと火を通します。


(8)トマトを加えてさらに3〜4分炒める。
※トマトの角が取れてくたっとなったぐらいの状態がベストです。

(9)鍋に(5)の炒めた鶏肉と塩(小さじ1)を加える。蓋をして沸騰するまでそのまま中火で煮る。沸騰後、弱火にして約20分煮たら出来上がり。

ほろほろと柔らかなチキンに、野菜の旨みが溶け合い、素材本来のおいしさを味わう一品。
食欲がないときでも、スパイスの爽やかな風味に箸が進みます。
梅雨だけでなく、暑い時期にもさっぱりと食べられるカレーです。


■ターメリックライスの作り方
チキンカレーのおいしさを一層引き立てる「ターメリックライス」の作り方もご紹介します。

【ターメリックライスの材料】
米 2合
ターメリックパウダー 小さじ1/2
塩 小さじ1/2
オリーブオイル 大さじ1

【作り方】
(1)米は洗って炊飯器に入れ、2合の目盛りまで水を注ぎ30分ほど浸水させる。
(2)ターメリックパウダー、塩、オリーブオイルを加えてさっとひと混ぜして、炊飯器で通常通りに炊く。

おいしく、健やかに。
身近なスパイスで簡単に作ることができるチキンカレー。
ぜひご家庭で本格的な味わいをご賞味ください。



natural food cooking/ORIDO 江口恵子(料理家・フードスタイリスト)
雑誌、広告、WEB、食品メーカーのレシピ提案、料理撮影に携わる。また、料理教室、ケータリング、カフェ、とあらゆるシチュエーションで野菜たっぷりの美味しくて体に優しい料理を伝えるべく活動を続けている。

『作って伝える郷土ほっこりおやつ』(赤ちゃんとママ社)
『子どもと一緒に季節の食しごと&保存食』(マイナビ出版)

natural food cooking
ORIDO

2023年5月26日公開