発酵調味料「酢麹」の作り方と ピクルスのレシピ
暑さが増してくると、体が疲れやすくなったり、食欲も減退気味に。
「酢麹」は、酢と麹の旨みを一度に味わえる発酵調味料です。
冷蔵庫に眠っている野菜を使って、おいしく、健やかに。
自然な甘さと酸味を味わう
「酢麹」
「酢麹」はその名のとおり、酢と麹をあわせて作る発酵調味料です。さわやかな酸味と麹特有のほんのりとした甘みが楽しめ、砂糖を使っていないのに甘酢のようなコクのある味わいに。
酢の物やドレッシング、ソースなど用途もさまざま。冷蔵庫で保存しておくと１～３か月ほどは日持ちするそう。いつでも気軽にパワーチャージができる、体にやさしい調味料です。
米酢と生麹を合わせるだけ
「酢麹」づくりのコツ
おうちで簡単に手づくりできる酢麹作りのコツと、酢麹を使ったアレンジレシピを料理研究家の江口恵子さんに教えてもらいました。
【材料】
生麹．．．100g
米酢．．．120g
（１） 清潔な容器に米麹と米酢を入れてよく混ぜる。
（２） 容器に少し空気が入るように、ふんわりとラップをかける。
（３）常温で保存して、1日1回スプーンなどで全体を混ぜる。
常温だと5日～1週間で完成します。また、ヨーグルトメーカーなど保温器具を使うと1日で完成します。完成したら冷蔵庫で保存してください。
「指でつぶせるぐらいになったら出来上がりです。完成の目安は1週間ですが、温度や湿度、季節によっても変わってきます。冬場に仕込むときには発酵時間を長めにみておくといいでしょう。ヨーグルトメーカーなどの保湿器具を利用した場合は、40度前後で8時間程度を目安にしてください」（江口さん）
酢麹でつくる簡単メニュー
「ミックスピクルス」
野菜を酢麹に漬けると、まろやかな味わいのピクルスに。旬の野菜でつくる「ミックスピクルス」の作り方をご紹介します。
【材料】
きゅうり．．．1本
人参．．．１/2本
パプリカ．．．（赤）1/2個、（黄）1/2個
セロリ．．．1本
紫玉ねぎ．．．１/2個
スナップエンドウ．．．5個
ローリエ．．．1枚
酢麹．．．115g ※野菜の総重量の1/4の分量
水．．．57ml ※酢麹の1/2の分量（野菜の総重量の約1/8の分量）
塩．．．13g ※野菜の総重量の3%の分量
※今回は野菜460ｇを使用しています。好みの野菜、作りやすい分量でご用意ください。
下準備として、きゅうり、人参、パプリカ、セロリはひと口サイズの乱切りに、紫玉ねぎは5㎜幅のくし切りにしておきます。スナップエンドウはヘタを取り、両端の筋を取っておきます。
（１） 切った野菜を水に10分ほど浸し、水気をしっかり切ってボウルに入れる。
（２） 塩を全体にまぶしてボウルをあおるようにして混ぜる。
（３）15分ほどおき、野菜から出た水分を捨てる。水洗いはしないでください。
（４）酢麹に水を混ぜ合わせたものを加えて、全体にまんべんなく馴染ませる。
30分ほど置いたあと、瓶などに入れて、冷蔵庫で冷やしたら完成。
「漬けてからすぐに味わうと浅漬けのようなシャキッとした食感が楽しめます。冷蔵庫でしばらく置くとしんなりと柔らかな食感に。冷蔵庫に入れて、4～5日程度は保存可能です」（江口さん）
野菜の持つそのままの味わいを生かしつつ、さっぱりと食べられるピクルス。麹によりお酢の酸味がまろやかになり、やさしい味わいです。
●大根と人参の和風ピクルス
●ミニトマトのピクルス
●ラデッシュのピクルス
ミックスピクルス以外にも、さまざまな野菜で試してみてください。基本的に、分量や作り方はミックスピクルスと同じです。
ミニトマトの場合だけ、塩漬けの手順は不要です。酢麹に水と塩を加えたものを直接混ぜて30分ほど置くだけでできます。
「酢麹はさまざまな料理に活躍します。酢麹に塩または醤油を加えてサラダのドレッシングとして味わうのもおいしいですよ。その際にすりごまを加えるのもおすすめです。
醤油と酢麹を混ぜて、唐揚げや魚の南蛮漬けのソースとして活用していただくと、おいしさがより一層引き立ちます」（江口さん）
いつものひと品にほんのりとした甘さとコクを。
夏の必需品の酢麹。おうちで簡単にできるので、ぜひ挑戦してみてください。
natural food cooking／ORIDO 江口恵子（料理家・フードスタイリスト）
雑誌、広告、WEB、食品メーカーのレシピ提案、料理撮影に携わる。また、料理教室、ケータリング、カフェ、とあらゆるシチュエーションで野菜たっぷりの美味しくて体に優しい料理を伝えるべく活動を続けている。
『作って伝える郷土ほっこりおやつ』（赤ちゃんとママ社）
『子どもと一緒に季節の食しごと＆保存食』（マイナビ出版）
2023年5月5日公開