涼をもとめて。麻布野菜菓子と麻布氷川神社へ
じんわりとした暑さの中に、セミの謳う声が入り混じる。
新しい季節の到来を告げる先達の声に、どこか懐かしい気持ちに。
東京・麻布十番。
都会の洗練と下町の情緒の狭間で「夏」の気配を感じて。
涼をもとめて
「麻布野菜菓子」
梅雨が明け、忘れていた夏の暑さの感覚がよみがえる。
部屋で過ごすことが増える夏、たまには気分転換へ。
夏の散歩は、休み休み、ゆっくりと。
知ってそうで、知らない町、麻布十番。
地図に頼らず、気の向くままに歩いてみるのも、また一興。
「氷」の涼し気なのれんにいざなわれ。
訪れたのは「麻布野菜菓子」。
ミニトマトのジュースに野菜のジャム。野菜を使ったフィナンシェ。
店内には野菜を使ったお菓子がところ狭しと並べられている。
自然の恵みがもたらす、豊かな色彩。
どれもおいしそうで目移りする。
だが、今日のお目当ては店内で味わう“涼”。
生姜のわらび餅792円、昔ながらのばんばら茶660円(ともに税込)。ばんばら茶は四国の山中に自生するお茶の葉を使った希少なお茶。
うだるような暑さをしばし忘れて。
生姜を練りこんだわらび餅が、つるんとのどを通る。
爽やかな味わい。まさに口福のひとこと。
赤いミニトマトのかき氷1,100円(税込)。ミニトマトのフルーツのような甘さと程よい酸味のシロップ。上にかかったクリームチーズソースがアクセントに。
いちごではなく、ミニトマトに遊び心を感じる。
ふんわりとした食感に、自然のやさしい甘さ。ひと口、もうひと口と後をひく味わい。
夏を味わう、優雅なひととき。
「野菜って色も形も面白いんですよ。果物には出せない味わいも引き出せて、お菓子としての可能性がまだまだあります」と店長。
他に「セロリ」や「ほおずき」のかき氷、「ほうれん草と抹茶」を使ったかき氷やモンブランなどさまざまな種類が味わえる。店内のショーケースにはみずみずしい果物がのった大福も。
※メニューは時期によって異なります。
日常で目にして口にする野菜も、アイデア次第で新しいかたちに。
生産者によって大切に育てられた野菜に、新しい命を吹き込む。
自然のものだけが持つ特別な味わいに、夏に五感がよろこぶ何かが宿されている。
住所:東京都港区麻布十番3-1-5
営業時間:月〜金11:00〜19:00、土・日・祝11:00〜18:30
定休日:火曜
「野菜で作ったちょっとだけ贅沢なお菓子」をブランドコンセプトに、野菜イコール健康という枠にとらわれず、野菜を使った美味しく美しいお菓子を提供している。店内にイートインコーナーがあり、かき氷やわらび餅をはじめ、季節限定スイーツも楽しめる。麻布十番に構える本店のほか、銀座店もある(銀座店は買い物のみ)。
坂の上に鎮座する
「麻布氷川神社」を参拝
涼しくなったところで少し付近を散策してみる。
照りつける陽ざしの中、ひまわりと共に。
ひまわり(向日葵)の名は、花が太陽を追うように見えることから。
英語のSunflower、フランス語のTournesol 、イタリア語のGirasole。
世界各国で太陽と結びついた名を冠するひまわり。
日を浴びて凛と輝く姿に励まされる。
もう少し歩いてみようか。
大黒坂を抜けて、一本松坂へ。
それにしても麻布十番という町は、坂が多い。
狸坂や狐坂なんていう坂も。
かつてはこのあたりにも狸や狐が姿を見せていて、人を化かしていたそうだ。
今の閑静な住宅街からは想像できない、かつての姿。
それぞれの坂に名付けられた意味を紐解くと、町の歴史が見えて面白い。
もうすぐ上り坂も終わりというところでセミの謳い声が濃くなってきた。
声の先は、神社。
今から約1100年以上もの前に創祀されたという「麻布氷川神社」。
静謐な杜に拝殿の朱色が印象的。
かつて“一本松の松の木”をご神木としていたことから、付近の「一本松」という地名の由来にもなっているそうだ。
鎌倉、江戸時代を経て、多くの人々を見守り、愛され続けてきた神社。
その懐の深さを感じる。
境内にある小さなお社にもご挨拶。
神社を訪れると、おだやかな心持ちになる。
気持ちも晴れたところで、今日の散歩はこのへんで。
■麻布氷川神社
住所:東京都港区元麻布1-4-23
授与所受付時間:9:00~16:00
938年創建の古社で、麻布一帯の総鎮守。
素戔嗚尊(すさのおのみこと)と日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀り、勝運や開運、仕事運などのご神徳がある。「美少女戦士セーラームーン」の作品内に登場する神社のモデルとなったことでも知られており、今日では国内のみならず、海外から参拝される方も多い。
今日のおともに、陽ざしに輝く
「エヴァーチャーム」
明るくひたむきに咲く、ひまわりの花をモチーフにしたエヴァーチャーム。
このひまわりはデザイナーの発案ではなく、職人が手を動かして生み出した花。
人の手で生み出される、活き活きとした花の表情。
花びらや種子の部分は細かいパーツを組み合わせて作っており、精巧な職人技が光ります。
素材はgentenではお馴染みのミネルヴァボックスとミネルヴァリスシオを使用。
使うたびに色に深みが増し、艶が増してゆきます。
季節の花をお届けする「エヴァーチャーム」。
5月はカーネーション、7月はひまわり、そして11月にはクリスマスローズのお届けを予定しています。
長く愛用していただくことで、あなただけの色合い、風合いに。
枯れることのない美しさを日々の暮らしに。
「エヴァーチャーム(ひまわり)」は店頭では発売中、オンラインショップでは7月中旬の販売開始を予定しています。
2022年7月8日公開