ありのままで。あるがままに、素敵。―秋の限定品―

夕映えの涼風のなかに、ふと秋の気配を気付かされるこの頃。
少しずつ、革のぬくもりが、恋しくなってくる。
そんな季節の移り変わりにあわせて、ふたつの新作の準備が整いました。

あるがままの、草木の美しい姿をとどめた「フィトリート」。
生きとし生けるものの、ありのままの生きざまを宿す「ヴィーヴェレ」。

唯一無二の個性が放つ素材の素敵さと、それを活かし輝かせる職人の技からなる、珠玉の限定品のご紹介です。



無垢な表情と佇まい。
植物の姿を閉じ込めた「フィトリート」



遥か昔の地層にひっそりとカタチを刻印する植物。自然の成す力でその姿をありのままに残した美しさ。その姿に着想を得てつくったのが、伊語で“植物化石”を表す「フィトリート」です。



44,000円(税込)

植物たちが土や砂に埋もれながら姿を残した様に、ありのままの美しさを閉じ込める事ができないか。そんな発想で革の中に本物の植物を挟み込み、財布に仕立てています。



その手法は、とてもデリケートかつ確かな技が必要となるもの。堅牢な素上げのヌメ革をいったん2枚に分けてから間に植物を挟み込みます。2枚の革を戻して圧着させたあとは、革の表面にひと手間。ガラスを用いて手しごとで磨き上げることで、植物の輪郭がくっきりと浮かび上がります。



植物といってもその種類はさまざまで、でき上がりの印象は個性豊か。試作段階では、ヌメ革の種類を変えながらいくつもの花や葉を試して、手元で植物の息吹をそっと感じられるものを目指しました。




選んだのは、枯れてもなお可憐な美しさが続くカスミソウです。
ありのままの自然の造形美を生かしました。




手にすると、より立体的に植物の姿が伝わってきます。




丁寧に仕立てた口金タイプ。
経年変化も楽しみの一つに


「フィトリート」は、gentenで根強い人気の口金タイプの長財布に仕立てました。
どこかなつかしくもやさしく、上品なかたちです。
金属部分に革をていねいに巻き付けることで、金属が主張しすぎず品のよい柔和な表情が生まれます。
閉めるとき耳に届く「パチン」という音色も魅力。感触の頼もしさと心地よさのために、職人が一点一点、微調整しながらつくっています。




口金を開けると、内装はシンメトリーのつくりで内装はベージュとアイスグリーンのバイカラー仕様。素材には、なめらかなカーフ(生後6カ月以内の仔牛の革)を贅沢に使用しています。

センターの小銭入れスペースも2つ。2色使いということもあり、例えば自分用と家計用で使うスペースを分けることもできますので、用途や好みに合わせてお使いいただけます。

経年変化についてですが、全体に色・ツヤが増し、あめ色に近づきながら、カスミソウのシルエットがより際立ってゆきます。

革に余計な加工を施さずに仕上げているため、ヌメ革の感触は比較的堅牢ですが、使うごとに手に馴染み、柔らかくなっていきます。




こちらは、革にカスミソウを挟んだ素材と、財布に仕立てて1か月ほど日光を当て続けたものです。通常、財布が日光を浴びる時間は限られますので、1か月で同じ程度の色に変化するとは考えにくいですが、経年による色の変化の参考にしていただければと思います。

本物の植物を使い、職人が一つひとつ仕立てている「フィトリート」の今回のご用意は50点のみです。自然のものだからこそ世界に一つだけの存在で、お手元に届くのはあなただけのもの。
そのとき限りの出合いも含めてお楽しみいただければ幸いです。




99,000円(税込)

革の個性をありのまま生かした
「ヴィーヴェレ」と共に



もうひとつの限定品「ヴィーヴェレ」。
イタリア語の“生き方”の意を持つそのバッグは、静かな存在感と奥深さを湛える逸品。

いかに生きるか、どのように生きてきたのか。うまくゆくことも、つまずいていても。
その革の主が辿ってきた生き様が、巨木の樹皮のように、深く静かに刻み込まれた記憶。




野生に生きづく、生命の息吹きがあふれる一枚革とその傷、斑の数々。
それらを一切避けることなく、裁ち出して仕上げられた「ヴィーヴェレ」。


ボディ部分は、4枚の革からなる袋型のつくり。革と革を縫い合わせる部分でハンドルも縫い付けています。口元が大きく開く構造で、あれもこれもと、持ち物をおおらかに受け止めることができる懐の深いバッグです。

口元は革紐を結ぶ仕様ですが、革紐を取り外して使うこともできます。装いや気分に合わせてお楽しみください。個性的な幅広のハンドルは、革をぎゅっと握る感覚もお楽しみいただけます。



潔い一枚仕立ての本体に組み合わされた、上質なピッグスエードの合切袋。
いかなることも、文字通り“一切合切”ひっくるめて生きてゆく。
そんな人生讃歌の思いもそっとこめて。




一人ひとりが決して同じではない、多彩な人生を歩むように。
ありのままの革の個性を、景色の魅力を、共感していただける方のもとへ届いてほしいと思います。

限られた数ではありますが、ご用意することができた「フィトリート」と「ヴィーヴェレ」。それぞれに個性は異なりますが、どちらも一緒に時を重ねるのが嬉しくなる存在に違いありません。同じものは二つとない限定品。一期一会の出会い、共に生きて共感しあえる喜びをお届けできれば幸いです。

■フィトリートとヴィーヴェレのお手入れについて■

時間が許せばご使用になる前に、しばらく日光に当てることをおすすめします。
革の銀面(表面)が強くなり、革が本来持つデリケートさがやわらぎます。
ふだんのお手入れは、乾いた綿の布で乾拭きする程度で十分です。日々、愛着を持って使い続けることでオイルが染み出てきて、表面を保護する役割をしてくれます。
「フィトリート」については、角などの汚れが気になるときは、消しゴムでやさしくこすると目立ちにくくなります。

「フィトリート」と「ヴィーヴェレ」は一部店舗限定販売となり、販売開始、展開店舗は以下の通りとなります。

◆「フィトリート」9/14より順次展開 ※オンライン展開無し
「直営店」
genten tenotsutae市谷, genten銀座、genten二子玉川, genten吉祥寺店、genten横浜元町, 
genten上大岡, genten仙台、genten大阪, genten伊丹、dangenten丸の内、gentenららぽーとEXPO CITY, gentenパルコヤ上野店
「百貨店」
ジェイアール京都伊勢丹、梅田大丸、名古屋松坂屋、新潟伊勢丹アネックス、札幌丸井今井、ジェイアール名古屋高島屋、さっぽろ東急、横浜そごう、小田急新宿、千葉そごう、あべのハルカス近鉄本店

◆「ヴィーヴェレ」9/7より順次展開 ※オンラインは9月中旬発売

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2021年9月3日公開