ころころ変わる表情。
自在の佇まい。

ひとつのバッグでいろんな表情を愉しむことができたなら――。
そんなときにふと目に飛び込んできたのが、小さな紙ふうせんでした。
ふうっと息を吹き込むとふんわりと膨んで、畳めば薄く平面に。

2021年秋冬に向けておつくりした「パロンチーノ」は、まさに紙ふうせんのよう。
形の変化だけでなく、もちっとした手触りや独特のふっくら感も存分にお愉しみいただけるバッグに仕上がりました。



富山が生んだ「紙ふうせん」文化にならう、
かたりの「なりたち」を愉しむ

日中はまだまだ夏の暑さにほだされながらも、朝晩にもなると涼が感じられる頃。
時折吹くそよ風はどこかやわらかでしっとりとした質感があって、全身でふれるたびに緊張感がほどけていくようです。

新しい季節を心地良く迎えてほしいから。
そして暮らしの中で迎えるさまざまなできごとを一緒に愉しみたいから。
「パロンチーノ」はそんな好奇心と優しさをぎゅっと詰めこんだバッグです。


先にも紹介したとおり、「パロンチーノ」はイタリア語で「ふうせん」を表す言葉です。日本における紙ふうせんの歴史は古く、すでに江戸時代には子供たちの遊び道具として存在していたようです。かたちもよく見るまん丸なものと、角ばったものの2種類があり、角ばったものは、富山の薬売りが行商で訪れた先の子どもたちへのオマケとして配ったことで広がりました。

ぺしゃんこの紙ふうせんは、息を吹き込むことでころんと立体的なかたちへと姿を変えます。ぽんぽんと手のひらで弾ませて遊んで、眺めて愉しんで。
そんなわくわくした想いをバッグでも体感することができたなら。そして紙ふうせん独特の形のなりたちをバッグで表現できたら。
そんな想いから誕生しました。



トートバッグ55,000円(税込)

新しい季節の訪れとともに味わう
わくわく感を目いっぱいに詰め込んで

「パロンチーノ」は持つ人の個性と同じように、入れるものによって表情がころころと変わります。いろんなものをたくさん持ち運ぶときには、こんなぽってりとした表情に。プリーツがふんわりと広がって洗練されたなかに愛らしさも感じられます。


ちょっとそこまでのお出かけ日は、口をさらにきゅっと絞って。お財布やスマートフォン、ハンカチなどの小物に加えて小説などのプラスαのものを入れても、たっぷりある収納力は見せず、あくまで愛らしい表情はそのままに。


お仕事バッグとしてノートやファイルなど平面的なものを入れて持ち運ぶときのトートバッグの表情はぺたんとしたこんな佇まいに。革のプリーツがくっきりと立ち上がり、いきいきとした革の艶感も現れます。



ショルダーバッグ47,300円(税込)

体にフィットして心地良い、もっちり、ぷにっとした質感とボリューム感

「パロンチーノ」は革のボリューム感をたっぷりと愉しみながら、ゆったりとした気持ちで持ち歩けることを大切におつくりしたバッグです。手にしたときに「気持ちいい」と思わず笑みがこぼれるような質感にもこだわりたくて、さまざまな革を試作したうえでしっとりとしていながらもちもちとした、ほっとする質感の牛革が完成しました。

しなやかでやわらかい、優しい肌触りを保ちながらも、牛革ならではの堅牢さも兼ね備えているので、長くお使いいただけます。

裏面のポケットは取り出しやすいけれど、プリーツに沿っていて外からは気づきにくい仕掛け。

佇まいの変化やバッグの持つ景色をお愉しみいただけるのが「パロンチーノ」の面白いところですが、その世界観を損なわない程度に遊び心をちょっと入れた機能性も備えています。バッグの外側にあしらったプリーツに沿ってしつらえたポケットには、携帯やコインパースなどを入れてさっと取り出せるようにしました。

大きなファスナー口はストレスなく出し入れが可能です。工房の道具が並んだ刻印にもgentenのものづくりへの想いを込めています。

バッグの内側にもファスナーで開閉するポケットが付いています。「パロンチーノ」の縫製は、gentenのプロダクトを長きにわたって支えてくださっている東京の下町にある工場で行っています。一点一点を丁寧に細かく、裁断をする折も資材を余すところなく使い切るように。なお、内側の縁の部分は海外有名メゾンでも採用されている日本の上質なピッグスエードを用いており、とてもなめらか。

金具をつかわず全て牛革で。

ショルダーとバッグのつなぎ目にも金具を使わずに牛革を用いて仕上げています。長さを調整する金具も革巻き仕様になっているため、柔らかく優しい印象に仕上がっています。



左からトートバッグ55,000円(税込)、ショルダーバッグ47,300円(税込)

秋冬の装いにしっくりなじむ色味。重めの色のコートとも相性よく

「パロンチーノ」は、どんな色にも合わせやすい2色展開。色が重くなりがちな秋冬の装いにやさしく馴染む色合いを採用しています。落ち着いた茶系の色をお愉しみいただけるグレージュと、様々な色と相性のよいダークグレイをご用意しました。

上質感漂うたっぷりのプリーツといきいきとした表面のシボ

メインで用いている牛革は、柔らかくしっとりと仕上がるクロムフリーなめしと経年変化の愉しめる植物タンニンなめしの両方が施されているので、やわらかさを感じつつも、はっきりとした革の経年変化を楽しむ事ができます。

上が新しいもの、下が焼けによる経年(約2カ月)

陽を浴びる事で次第に色が温かみを帯びながら濃く変化して、お使いになられる度につやが増していきます。

さまざまな表情を見せるパロンチーノ。そのふっくらソフトな手触りと上品な佇まいは、持つたびにほっと優しい気持ちになったり、時には高揚感をもたらしたり。
共に過ごす時間を愉しんでいただければ幸いです。

■パロンチーノのお手入れについて■


革は国産なめしの日本製の牛革で、素上げ調でありながら色落ちと水シミは比較的しづらいので安心してお使いいただけます。急な雨など心配な時、アメダスの防水スプレーは有効ですが、防水成分が馴染むまで少し時間がかかる特性があります。吹き付け直後は乾くと白浮きします。この白浮きは約1日で完全に消えていきます。

左)アメダス吹き付け直後 中)乾くと一度白く浮きます 右)約1日で白浮きは消えます

もしもアメダスの防水スプレーを使用する場合は、バッグをお使いになられる前日のうちに行って頂く事をおすすめいたします。爪傷などが激しい部分についてはデリケートクリームやコンディションクリームなどクリーム類をご利用いただけます。


クリームをご使用の際、色が濃くなる事がありますので、目立たないところでお試し頂いてからご使用ください。
クリームは直接革に付けるのではなく、やわらかい布に少量をよく馴染ませてからやさしく塗ってください。

パロンチーノは店頭は9月15日(水)、オンラインショップは9月下旬の発売開始を予定しております。

2021年8月13日公開

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