暮らしを彩る花々を、自分らしく楽しむ

春から初夏にかけて、たくさんの花が見頃を迎える時季。花屋で買い求めたものや記念日のプレゼントなど、室内で花を愛でる機会も多くなるのではないでしょうか。季節の花を自宅にある器を使って、自分らしく楽しんでみませんか。
今回、gentenで店舗のディスプレイを担当しているコーディネーターの高田に、花を飾る際のコツを教えてもらいました。よろしければご参考にしてみてください。



生けるときのひと工夫で
切り花を長く楽しむ

室内で自然が感じられて、ふっと心が和む花。
その色や香りは、いつも私たちの心を和ませてくれます。鉢植えなどと違って、切り花は日持ちがあまりしませんが、少しの工夫でより長く美しい姿を楽しむことができます。

記念日にいただいた花束などは、できるだけ早く水に浸けたいものです。茎を少しカットしてから生けると水の吸い上げがよくなります。

花器に入れたとき、水に浸かる部分の葉は取り除きましょう。水の中で雑菌が繁殖するのを防ぐことにつながります。

「もし花器が自宅になくても、お手持ちのピッチャーなどに生けても素敵です。
同系色でまとめられた花束を生けるときは、異なる色の花を少し加えるとアクセントになります。また、葉物を添えると主役の花がより華やかに。暖かな季節のアレンジには、葉物があると清涼感がプラスされます」(高田)

気温の高くなるこれからの季節は、室内で置く場所に気を付けたいもの。直射日光が当たる窓辺やエアコンの風が直接当たるところを避けると、長く美しい姿を保つことができます。




食器や調理器具に
自由な発想でアレンジ

切り花の茎は、毎日少しずつカットすると切り口が新鮮に保てて、花が元気に水を吸ってくれます。それでも弱ってしまった花は、思い切って茎を短くカットするのも一つの方法です。このタイミングで、花器から手持ちの小さな器に移してアレンジしてみませんか。


「たとえば、キッチンにある小さなソースパンも花器に早変わり。小振りの剣山やアレンジメント用の吸水スポンジを使えば、生けるのは難しくありませんし、花瓶とは違った風情が楽しめます」(高田)
食卓に飾ると、食事の席が華やかに。少し花があることで、食卓の雰囲気が変わります。


ほかにも片口の器や小鉢など、少しの深さがあるものであれば、自由な発想で楽しめます。



「主役の花を決めて、バランスを見ながら、それに合う葉物や花を足していきます。
高さのある葉物を加えると、縦や横に広がりが出て、奥行きが増すのでおすすめです」(高田)


「花屋で買い求めたものやプレゼントの花束だけでなく、身近な草花を摘んで生けても素敵です」(高田)


庭で小さな花を付ける名も知らぬ草や、散歩中に見つけた草花。花びらや葉の色や形など、ふだんは気に留めなかった可憐で素朴な美しさに出合えます。




清涼感が味わえる
フローティングフラワー

花はまだ元気なのに、茎の上の方で折れてしまったときや花びらが落ちてしまったときは、フローティングフラワーにしてみてはいかがでしょうか。

茎を短く切ったら、水を張った器に浮かべるだけ。美しい花を最後まで愛でることができます。

フローティングフラワーには、ガラスの器がぴったり。水の揺らめきや透明さが目に涼しく、あらゆる方向から花を愛でることができます。リラックスのひとときやティータイムに、そばに置いて目で楽しんでも。


ご紹介したのは、どれも手軽に楽しめるアレンジばかりです。ちょっとした工夫で長く切り花を楽しみ、暮らしに彩りを添えられますように。

2021年4月30日公開