だから、手を取りあって。
そして、みんな一緒に。「ヴァリオ」

森羅万象。
自然界には同じものは二つとしてありません。 それは人間もまた同じ。
生まれながらに、一人ひとりの瞳の色が違うように。
その人となりが、一人ひとり同じではないように。

革という存在にもそれぞれの個性があります。ありのままの個性という輝きを、一つひとつ、決して余すことなく、拾いあげて、つなげて。まるで、革と革が手を取りあっているかのよう。その緩やかなゆらぎに惹かれるのは、豊かな魅力を秘めた革たちが集い、輝いているから。

そんなつぶさな輝きをかき集め、ひとつに束ねたとき「ヴァリオ」というバッグができあがりました。

複雑多様に混在して絡み合い、一つのフォルムをかたちづくってゆく。

その様は、個々の相違を認め尊重しつつ、さまざまな価値観を包括しながら生きてゆくこの社会のようでもあります。その姿から、伊語で「様々な、多様な」の意味を持つ「ヴァリオ」と名付けました。


天然素材である革を
大切に使い切るために

さまざまな個性を宿した革。これらを、余すことなく、たいせつに使い切ること。
どんなに小さな革の端にも、生きとし生けるものへの敬いと、自然の恵みとを感じながら丁寧に扱う。
そんな思いのもと、gentenでは、バッグや財布などを作った際に余る、革の裁ち端をすぐに捨てることはしません。

代表素材であるミネルヴァ・ボックスや、リスシオ。これらは一枚の革が、一頭の食肉成牛の両肩周辺の部位からしかとれない希少なもの。
これら成牛の、生きてきた様がたっぷりと現れた革だからこそ、豊かな風合いと革らしさ、味わいが深く宿ります。また、その証しでもある自然なシワや残りキズ、色ムラも多く現れます。

どんなに小さな裁ち端であろうと、いかなるキズやムラがあろうと、それぞれの革のもつ存在感を、放つ輝きを、かたちにしてお伝えしたい。

「ヴァリオ」は、こんな思いからもの作りが始まってゆきました。



パーツとパーツを編み込み
職人技を積み重ねて

「ヴァリオ」は、小さなパーツつくりから。

まず、タイの自社工場の職人が、端革からゆるやかにS字を描く型でパーツを抜き出し。一枚一枚のコバ(革の断面)を丁寧に磨き、革の端まわりに焼きねん(温めた鏝をあて、パーツ端を熱で焼きしめる工程)をほどこします。

それぞれのパーツの色が線状に、少しだけ濃くなっている部分が、焼きねん処理がなされたところです。
バッグに仕立てあがると、その佇まいが凛々しく感じられるのは、こういった職人の方々の、手仕事の積み重ねがあってこそ。

部材の下ごしらえが揃ったら、次は一個づつずれないよう縫い合わせ。そして、ようやく編み込みパーツが出来上がり。
二重のらせんを描く特徴的な外観は、まるで生き物をかたち造る遺伝子の配列のようなシルエットに。

台の上に底面のパーツを乗せて、バッグの下側にあたる部分から編み込んだらせん状のパーツをつなぎ合わせていきます。

パーツの形状をらせん状にしたのは、意匠的な理由だけではありません。直線的なパーツよりも伸びに寛容になり、バッグ全体に柔軟さが生まれるのです。




大(ダークネイビー)74,800円(税込)モデル身長168cm

女性はもちろん男性にも。
カジュアルにもモードにも

でき上がったのは、大・小異なるサイズの2型です。レディースラインのバッグではありますが、性別・年齢問わずお持ちいただけるデザインです。

カラーは、チャとダークネイビーの2色をご用意しました。
チャは、gentenの定番カラーの一つ。使い始めから革らしさが楽しめる色といえるでしょう。
ダークネイビーは、室内ではブラックに見えるほど深みのある色です。


大(ダークネイビー)74,800円(税込)モデル身長170cm

大サイズは、下げ持ちのほか、ハンドルが少し長めなので、暖かな季節の装いであれば、肩掛けもできます。


ハンドルは2本ですが、1つにまとめるスナップ付き。ワンハンドルにして持つことができます。

小(チャ)52,800円(税込)モデル身長168cm

小サイズは、ショルダータイプです。ショルダーベルトの長さを変えて斜め掛けすれば、両手があく軽快な印象のバッグに。


小(チャ)52,800円(税込)モデル身長170cm

「ヴァリオ」は個性的なバッグではありますが、カジュアルスタイルにもすんなり。一方で、洒脱な装いにもなじみます。

ざっくりとしたメッシュの形状のため、どちらにも巾着型のインナーバッグを付けています。

インナーバッグの素材は麻100%。円筒形の周囲に深さのあるポケットを備えたつくりです。グリーンやグレー、アイボリーなど、各パーツの色を変えた、あえてのマルチ仕様。もちろん、インナーバッグ単体でもお持ちいただけます。

牛革で仕立てたひもにもgentenらしい遊び心を宿して。
革を何枚も積層してから角部分をハンドカット。切断面のコバを一つひとつ丁寧に磨き上げて、木片をくり抜いたような見た目に仕上げました。

手に手をとりあい、慈しみの思いを抱いて、毎日を生きてゆく。

今まで以上に、手間がかかることが増えてきたり。
思いがけない喜びを、分かちあえる仲間に巡り合えたり。
譲れなかった意固地さを、あとで悔やんでもみたり。

今は手をとりあえなくても、いつかお互いの在り方を認め合い、みんなそれぞれが“輝き”を交換しあえるように。

見た目も使い勝手も、決して一筋縄ではない「ヴァリオ」。

みんな違っていて、それでいい。

違うからこそ、その素敵さが素晴らしいのだから。

■ヴァリオのお手入れについて■

素材は、gentenのものづくりに欠かせないミネルバリスシオもミネルバボックス。どちらも天然のオイルをたっぷりと含んだ上質な革です。時間が許せばご使用になる前に、しばらく日光に当てることをおすすめします。革の銀面(表面)が強くなり、革が本来持つデリケートさがやわらぎます。また、愛着を持って使い続けることでオイルが染み出てきて表面を保護する役割をしてくれます。
エイジングによる色の変化ですが、チャは、次第に深みが増していきます。ダークネイビーは、少しずつ濃い色が褪せてゆくようなスモーキーな色に変わってゆきます。こういった色の変化も天然素材の魅力としてお楽しみください。
また、バッグの仕様特性上、収納物は必ず内装巾着におしまい頂いたうえでご使用ください。

※店頭販売は直営店限定となります。直営店はこちら

2021年2月26日公開

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