手軽なアレンジで、
花と緑の美しさをより長く楽しく

秋の気配が近づいてきて、ドライフラワーや木の実の植物がインテリアに映える季節です。今年は、自宅で過ごす時間が増えたことで、花や緑を飾りたいと思う方は多いのではないでしょうか。街路樹や公園の緑、住宅街の庭先に咲く花……。そんな無意識のうちに目にしていた植物を目にする機会が少なくなり、私たちは本能的に“自然の力”を求めているのかもしれません。そこで今回は、自宅で花や緑を手軽に、より長く楽しむアレンジをご紹介します。

生花からスワッグ、
そしてドライフラワーに

部屋に一輪あるだけで雰囲気がやわらぐ花や緑。
フラワーベースに活けて窓辺に置けば、心なごむ空間になります。


数日その姿を楽しんだあとは、ラフに束ねてスワッグにしてみませんか。窓辺や壁にさげて飾るスワッグは、その手軽さが魅力で、ドライにする間の姿も魅力的です。
季節にもよりますが、1日から数日で自然に水分が抜けていき、ドライフラワーになります。

今回用意したのは、丸い葉が愛らしいユーカリや黄色くて小さな花を咲かせるゾロアスター、淡いピンク色の花が目を引くセルリア、鶏のとさかのようなカタチが特徴的なケイトウなどです。

鮮やかな色が次第にあたたかみのある色へと変化していき、生花のときとはまた違った表情になりました。



ご家庭にある漂白剤で
花や葉をニュアンシーなオフホワイトに

ドライフラワーはアースカラーのままでも素敵ですが、
色褪せてしまい雰囲気を変えたくなったら、捨ててしまわずに漂白することでまた違った表情に生まれ変わらせることができます。

用意するのは、キッチンで使う液体の漂白剤を水で薄めたもの。植物の種類や大きさにもよりますが、今回は、水と漂白剤を9:1程度で合わせたものを使いました。仕上がりを真っ白にしたい場合は、漂白剤の濃度を濃くするなど様子を見てご調整ください。1日ほど浸けておくと色が抜けてゆきますが、その変化する姿を眺めるのも楽しいものです。


色が抜けたら取り出してさっと表面をやさしく水洗いします。このまま乾燥させてもよいのですが、カサカサとした質感で壊れやすいので、保湿のためにもうひと手間。

用意するのは、50~60℃くらいの少し熱めのお湯とドラッグストアなどで入手できるグリセリンです。お湯とグリセリンを8:1程度の割合で合わせて、その中に植物を入れて1日ほど置きます。そうするとユーカリなどの葉もしっとりとした手触りになり、扱いやすくなります。

漂白する前後で並べて見ました。上の葉から時計回りにユーカリ、ゾロアスター、ケイトウです。形状はさまざまですが、どれもニュアンスのある白になり、印象ががらりと変わります。





ビンに入れたりリースにしたり。
手軽なアレンジいろいろ

完成したドライフラワーはアレンジして部屋に飾っても素敵です。
ビンに入れるだけでお洒落に。玄関のシューズボックスの上やお手洗いの棚など、ちょっとしたスペースに置くだけで素敵なインテリアになります。


ドライフラワーは、キャンドルとの相性もぴったり。
植物の蔓を編んだリースにドライフラワーの茎を差し込むだけで手軽につくることができます。
真ん中にお気に入りのキャンドルを置いて、あっという間にでき上がりです。

同じようにリースを使って漂白した植物でもつくってみました。


温かみのあるオフホワイトが秋冬のインテリアとしてぴったり。赤い木の実などを足してクリスマス仕様にしても。

ご紹介したドライフラワーやアレンジメントは、どれも手軽に試せるものばかりです。花や緑を飾った後に捨ててしまうのではなく、ひと手間かけて、空間に彩りをプラスしてみてはいかがでしょうか。

2020年9月25日公開