お気に入りの布でエコラップづくり

レジ袋が有料化したりストローが紙製に変わったりと、わたしたちの生活にもエコの考えが浸透してきました。そこで今回は、暮らしの中で楽しみながらエコを実践できることを目指して、みつろうエコラップづくりに挑戦しました。

天然素材を組み合わせて
便利で素敵なラップに

エコラップとは、みつろう(ビーズワックス)を布に浸み込ませたもので、食材や食器、保存容器などにぴったりとくっついて、ラップのように使うことができます。天然成分だけで作れるうえに洗って繰り返し使えるので、エコを気にかけている人の間で最近注目を浴びています。水分は通さないのに適度な通気性があり、野菜や果物はみずみずしく、発酵食品は呼吸ができるので自然に近い状態で保存できる優れものです。ただ、みつろうは熱に弱いため市販のラップのように電子レンジには使用できないので注意してください。冷蔵保存や常温保存にはそのまま使えてゴミにならず、これからの季節はアウトドアでも便利です。
それではつくってみましょう。

■準備するもの
・布 (薄手の綿100%がおすすめ)
・みつろう 粒タイプ
・ホホバオイル(あれば)
・クッキングシート
・アイロン、アイロン台など

みつろうだけでも作ることができるのですが、ホホバオイルを数適加えると、みつろうだけよりも柔らかく仕上がって使いやすくなります。

■作り方
①アイロン台のうえに、エコラップにする布よりも一回り大きくカットしたクッキングシートを敷いて、その上に布を置く。

②みつろうを布全体にまんべんなく広げる(ブロックタイプのみつろうを使用する場合は事前に細かく刻んでおく)。

③その上にクッキングシートをのせて高温にしたアイロンをあてて、ミツロウを溶かす。ホホバオイルを混ぜる場合は、ここで数滴たらす。

④クッキングシートをはがしてみて、みつろうが染みていない部分は、足してアイロンをあてるという作業を繰り返し、布の端までみつろうを染み渡らせる。

⑤クッキングシートから布をはがして乾かしたら、できあがり。

⑥ポイント
そのままでも使用できますが、乾いた後、布の端をピンキングばさみで処理すると糸がほつれにくくなります。



みつろうの特性を上手に活かして
毎日できるエコアクション

みつろうが浸み込んで、ワックスペーパー(パラフィン紙)のように布がコーティングされているので、ぎゅと抑えるだけでラップ同士がくっつきます。
使いかけの野菜や食べかけのお皿、乾燥させたくないパンなどに、さっとかぶせて包むだけ。お気に入りの布で楽しくエコできます。汚れたときは食器用洗剤でやさしく洗います。気をつけたいのは、みつろうは熱と酸に弱いということ。天然素材を使用しているので、性質を知ることも上手に使いつづけるコツです。

みつろうエコラップを使うときの注意点
・お湯や電子レンジは使用しない
・熱湯消毒できないため、腐りやすい生肉、生魚は包まない
・レモンや酢など酸の強い食材は直接包まない

“環境問題”というと私たちの暮らしから少し遠いことのように感じてしまいますが、実は日本人1人あたりのプラスチックごみの廃棄量は年間32キログラムで世界2位※。身の回りを見ても、一度しか使わずにすぐ捨ててしまうプラスチック製のものはたくさんあります。市販のラップもそのひとつ。ラップごみを減らすというのは小さなことかもしれませんが、それは日々の積み重ね。楽しみながら続けられるというのが、暮らしからできるエコアクションの良いところですね。

つくりかたの参考 プラなし生活 
※出典 国連環境計画(UNEP)報告書2018より

2020年7月24日公開