クバ族の手仕事に着想を得た「W20」

遠く離れたアフリカの地で、クバ族の手仕事によって受け継がれてきたテキスタイルパターン。目の前に広がるパターンを紐解いたとき、そこには“織り”という行為から生まれたであろう模様が見えてきました。


クバ族による織物の画像。書籍『クバ王国のアップリケと草ビロード アフリカン デザイン(里文出版/渡辺公三、福田明男 著)』より引用。

タテ糸とヨコ糸からなる“織り”を
gentenらしく革で再構築

一枚の布に刻まれた、様々な幾何学模様。それはアフリカのクバ族が生み出したものです。代々伝わってきた手仕事の技と彼らの創造性によって生み出されるこの模様は、ふたつとして同じものはないといわれています。規則的なパターンのなかに自由で気ままな線が織り込まれ、独特な魅力を放っています。


「人類の祖、アフリカ」。モノづくりの原点を追求した時、gentenのデザイナーはアフリカのクバ族の模様にインスピレーションを受けました。“織り”という行為を表すような模様にヒントを得て、タテ糸とヨコ糸が折り重なる組織を革モチーフで再構築したのが、「W20」です。アフリカの大地を思わせるチャと深みのあるクロの2色の組合せで表現しました。


ブランド設立20周年のロゴでも用いられた算木の20。

革モチーフの組み合わせにはもう一つの意味があります。「W20」は、2020年の略。今季のテーマである「2020年TOKYO」を象ったデザインです。
古来より和算などに用いられる算木で20(=ハタ)を意味する3本線。W20ではこのハタの組合せを、革のモチーフを用いて形作っています。

今回、この革のモチーフを活かして2型を作りました。ワンハンドルのバケツバッグとショルダーバッグをご紹介します。


バケツバッグ49,500円(税込)

バケツバッグは持ち手に4つのホールを開けてあり、長さが調整可能です。腕に掛けて持ったり、肩に掛けたりとその日の気分で使い分けができます。


ショルダーバッグ36,300円(税込)

さらりと肩に掛けるだけではっと目を引くショルダーバッグ。ショルダーベルトは、斜め掛けもできる長さです。

どちらもシンプルなシャツスタイルやワンピースに合わせるだけでサマになり、コーディネートの主役になるバッグです。



大切な革を無駄にしない
エシカルなものづくり

「W20」は、エシカルなバッグでもあります。
使用している革は、gentenの定番素材であるミネルバリスシオ。通常、一枚の革からバッグのパーツをとると、どうしても裁ち落とした革が余ってしまいます。gentenでは、余った革を大切に保管し、活用できる機会はないかと考えています。今回の「W20」はそうした革をモチーフの部分に活用しています。
「限りある資源を大切にする」というgentenの理念がまさに体現されたバッグといえます。



職人の手仕事を感じる
優美で精巧なつくり

革のパーツは、単純にも見えますが、実はそうではありません。ミリ単位でサイズと形を変えて、有機的な曲線を描くようにカッティングしています。

バケツバッグで使用しているパーツは9種類。円に近い10角形の底面に側面のパーツを差し込み、下から順番にパーツを組み立てています。


市ヶ谷店の工房の職人と共に試作を繰り返し、ようやく出来上がった形。デザイナーのラフから形にするのに、それぞれのパーツの大きさを細かく調整していきました。職人が「1㎜ずれると破綻する」というほど緻密に計算されたパーツによって成り立っているのです。

裏面の美しさにもこだわり、パーツの重なり方を工夫しています。パーツとパーツを縫い合わせている部分は、途中で縫い終わりの糸が見えないよう、ミシンステッチをすべて二重にかけています。

細かなこだわりとして、チャのパーツのコバ(革断面)には、通称“ねん引き”、“焼きねん”といわれる縁に熱と圧力をかけて線を入れる工程を行い、滑らかかつきりっとした表情に仕上げています。また、正面のパーツにはgentenのロゴと「SINCE1999」の文字を刻印しています。



使い勝手のよい
インナーバッグ付き

2型のバッグは、どちらもインナーバッグをお付けしています。
バケツバッグに合わせたのは、巾着ではなくすっきりとしたスナップ留めタイプ。バッグのデザインに響かず、開閉もしやすい作りです。スナップ部分に革巻きを施しており、細かな手仕事のぬくもりを感じられます。

ショルダーバッグにはファスナータイプを合わせました。トートバッグやボストンバッグなど、大きなバッグのインナーポーチとしてもお使いいただけます。

他にはない個性のあるバッグをお求めの方、モノづくりの背景に心を寄せてくださる方。そんな方にお持ちいただきたい「W20」。目を引く存在感で普段のコーディネートのアクセントになるバッグです。

■W20のお手入れについて■

ミネルバリスシオは、天然のオイルをたっぷりと含んだ経年変化が存分に楽しめる革です。お使いいただくうち、チャは赤味寄りの濃いチャになっていき、クロもほんのりと赤味を帯び、2色が次第に近づき合っていきます。どちらの色も使うほどに奥深いツヤが出てきます。

使い始めは革にハリや硬さがありますが、使うごとに身体に沿って馴染んでいきます。
時間が許せばご使用になる前に、しばらく日光に当てることをおすすめします。革の銀面(表面)が強くなり、革が本来持つデリケートさがやわらぎます。ふだんのお手入れは、乾いた綿の布で拭くだけで十分です。日々、愛着を持って使い続けることでオイルが染み出てきて、表面を保護する役割をしてくれます。

W20の発売開始は、店頭、オンラインショップ共に9月中旬頃を予定しております。
また8/25(火)18時よりオンラインショップで先行予約販売いたします。

2020年8月21日公開

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