【2020春夏】この夏は、「ノマデ」で軽やかに

雄大な大地を移動しながら暮らす遊牧民たち。本当に必要なものだけを手に、自由にのびのびと。そんな遊牧民に着想を得た「ノマデ」をご紹介します。流行に左右されないある種の“強さ”を秘めたバッグ。その根底には、確かな素材があります。


素材の“声”を聞き
魅力を生かしたものづくり

「人が極力調理をしないこと」。究極の料理について、そんな風に語られることがあります。それは、素材そのものをあじわえるから。同じことがデザインにもいえます。

革という素材に触れて厚みやシボの大きさ、しなり具合を体感して“声”を聞きます。いったい、この革にはどんな形がふさわしいのか。そして革をバッグへと作り上げてゆくのです。


きめの細かいシボから生まれる上品さと、繊維の密度が高くしっかりとした手触り。そんな魅力をもつキップ(生後6ヵ月~2年の牛革)が「ノマデ」となる革です。

原皮は、バングラデシュ産。キップ(生後6ヵ月~2年の牛革)に限ったことではありませんが、「革」の元となる「皮」は、食肉産業の副産物です。環境に配慮し、限りある資源を大切にするgentenの哲学に沿ったエシカルな素材です。

「ノマデ」では、「皮」を「革」にするための鞣しを、東京のタンナーにお願いしました。
ひと言で鞣しといっても、その仕上がりにはお国柄が表れるものです。たとえばイタリアのタンナーが鞣した革は、オイル分が強い傾向があります。
日本の風土と日本人の好みを熟知している東京のタンナーは、言葉で表現するのが難しいほどの微細な感覚で、日本人の肌と気質に自然となじむ革に鞣します。

鞣し終えたキップ(生後6ヵ月~2年の牛革)は、革らしい粗野さを保ちつつも、さらりとしたドライなタッチ感。暑い季節にも気軽に持てて、長く愛用できるエシカルな「革」になりました。




左から、ワンショルダーバッグ53,900円(税込)トートバッグ64,900円(税込)ショルダーバッグ39,600円(税込)

―潔さ。
ひとさじの趣き情緒

でき上がったのは、ワンショルダーバッグ、トートバッグ、ショルダーバッグの3型です。どれもが、革の風合いを存分に生かした一枚仕立て。縫製する箇所をできるだけ絞り込み、さらりとした風合いが楽しめます。

カラーは、アイボリーとキャメルの2色をご用意しました。
アイボリーは、暑い季節の装いに清涼感を与えながらも、あたたかみのある色。タンニンにワックスを含ませて鞣すことで水染みが気になりにくい革になっています。

キャメルは、革本来の風合いを楽しめる色といえます。暑い季節だけでなく、幅広いシーズンでさまざまな装いに合わせて長くお使いいただけるお色です。


一枚革のバッグは、どうしても裏側の毛羽立ちが気になるもの。革の裏側は床面(とこめん)と呼ばれますが、「ノマデ」は毛羽立ちが起こりにくいよう、職人が丁寧に床面処理を施しています。
決して目立つところではありませんが、快適に長く愛用いただくため手間を惜しまず仕上げています。




一枚革の抑揚を存分に。
ワンショルダーバッグ

ワンショルダーバッグは三角形のフォルムで、肩に掛けたときに、おさまりよく身体になじむようなマチ幅にしてあります。


肩に掛けるバッグの“顔”は、正面ではなく側面ともいえます。そのため、ハンドルから続く側面には、はぎ合わせができないよう工夫しました。肩に掛けると、上質な一枚革の抑揚が美しく際立ちます。


持ち手の縁には、職人が丁寧な手仕事で革かがりを施しています。手なじみ良く、伸び止めの役割も果たしています。


ハンドルは、手の大きさなどに合わせて折り畳んでお使いください。折り畳むと、耳に心地よく響くタンニン鞣しならではのぎゅっぎゅっときしむ音が鳴ります。使ううちに手になじみ、あなただけのバッグへと育っていきます。

3型すべてに共通しますが、内装機能はスマホ用のポケットを一つ備えただけ。最小限の荷物で身軽に移動し「足りないを、良しとする」遊牧民のように、自由な使い方ができる仕様です。




フレキシブルに使える
袋状のトートバッグ

トートバッグは、同じカタチの4枚の革を縫い合わせた袋状のつくりを採用しています。至ってシンプルで、底面を見ると、まるで折り紙をパタンパタンと折ったかのよう。荷物を入れると、この底面が自然と下がるつくりです。

トートバッグも内側に仕切りなどはなく、ポケットを一つ備えただけ。たっぷりのマチ幅で、ポーチや巾着袋、バッグインバッグなどを使いながら、自由に整理してお使いいただけます。


トートバッグとワンショルダーバッグには巾着袋をお付けしています。
すっきりとしたサイズ感で、必要最小限の持ち物でお出掛けするときにも活躍します。




モデル身長171cm

身軽なスタイルにぴったりの
ショルダーバッグ

小振りなショルダーバッグは、さらりと持てるサイズ感です。斜め掛けできて両手が空くので、ご近所への買い物や散歩など、身軽なスタイルによく合います。


天ファスナー付きで安心感のあるつくり。ショルダーバッグにも、職人が丁寧な手仕事で革かがりを施し、内側にはスマホサイズのポケットを一つ付けました。背面にもポケットがあり、コンパクトながらに機能も備えています。


ストラップと本体とのジョイント部分は、金具を使わずに革同士を輪にしてつなげています。輪に遊びを持たせてあるため、バッグが身体に無理なくフィットします。

ショルダーベルトには、長さ調整の穴を12あけました。短めにしたり長めにしたりとコーディネートに合わせられ、身長に関わらずバランスよくお持ちいただけます。いちばん短くすると、ワンハンドルのショルダーバッグになります。




アレンジが楽しめるのも
シンプルなつくりだからこそ

「ノマデ」は、アレンジが楽しめるのも魅力の一つです。その日の装いや気分に合わせてスカーフを持ち手に結んでみるのもおもしろいかもしれません。


草木染めなど、天然素材同士のスカーフとの相性はもちろんですが、柄物のスカーフと合わせると新たな表情に。革かがりの情緒が香る佇まいが柄物の個性を受け止めて、大人のぬけ感が演出できます。日々のコーディネートをお楽しみください。

■ノマデのお手入れについて■

天然素材ゆえパーツごとに個体差があります。また、製造工程上、床面(革の裏側)にスレや色が付いている場合があります。素材の特性としてご理解のうえ、一枚仕立ての革本来の魅力をお楽しみください。

使うほどに地艶があがってきて、自分だけの革へと育っていきます。アイボリーは少しずつ赤味を帯びていき、キャメルは色が次第に濃くなっていきます。

使い始めにgentenの防水スプレーをかけておくと、水染みだけでなく汚れを軽減することにもつながります。また、乾燥が気になる時にはクリームで保湿することで、より長くお使いいただけます。

2020年6月12日公開

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