【2020新春】強くて美しい「パンテ」

モードな佇まいは、ローマの歴史的建造物・パンテオン神殿に着想を得たもの。でも、「パンテ」の魅力は、見た目の美しさだけではありません。使用しているのは、水が染み込みにくい仕上げを施した特別な革。レディースとメンズそれぞれのラインから、さまざまなシーンで重宝する新作をご紹介します。

雨にも汚れにも強い
gentenオリジナルの素材

シボがなくフラットで、きめが細かくエレガント。そんな印象を持つフランス原皮の牛革を鞣したのは、イタリアのタンナー、アルケ社です。アルケ社では、鞣しの工程でひと工夫。原皮の段階において水をはじくオイルを丁寧に染み込ませることで、水が入りにくい革を開発しました。表面のコーティングではなく、オイルを浸透させることにより、革の持ち味はそのまま活かされています。


先日、アルケ社のアレッサンドロ氏が来日し、「genten tenotsutae市谷店」を訪ねた時の様子。「パンテ」の革やデザインを、改めて自らの手で確かめています。

気になるのは「パンテ」の革に、どのくらいの時間水が染み込まないのかということ。イタリアの検査機関で計測したところ16時間という驚きの結果が出ました。これは、日常使いにおいてかなり心強い数字だと思います。

とはいえ、革と革を縫い合わせたミシン目から水が入り込んでしまうことがあります。濡れてしまった時はそのままにせず、早めに乾いた布で拭きとることで、より長く美しい状態を保つことができます。

美しい白色の革の表面には、時おり、とても小さな黒い斑点が見えることがあります。これは、空気中の鉄にタンニンが反応して現れるものです。gentenの革は自然にやさしく、革そのものの風合いを生かすことのできる植物性のタンニンで鞣しています。この製法ならではの特性としてご理解いただければと思います。

また、革によっては筋状の模様が見える場合があります。まるでトラの模様のようなので通称“トラ”と呼ばれていますが、これは牛の首から肩にかけた部位に入るもの。革としての品質に問題はなく、天然素材ならでは個性と捉えてお使いください。


タンニンの反応による小さな黒い斑点(写真上部の革)。天然素材ならではのトラ模様(写真下部の革)。

「パンテ」は、ゆるやかな経年変化によって、革の味わいも楽しめるバッグです。上の写真は、経年変化のテストをしたもの。左から順にレディースのアイボリー、メンズのネイビー、レディース・メンズ共通のグレーです。変化のない無機質なきれいさではなく、色が次第に濃く味わい深くなっていくことがわかります。




2WAY仕様で巾着付き。
レディースライン3型

レディースのバッグは、3型すべて2WAY仕様で、さらに使い勝手の良い巾着を付けました。革の厚みを約1.4mmと薄くしてあるため、手にするととても軽やかです。

カラーは、アイボリーとグレーの2色です。


写真左からワンハンドルの手提げ、トートバッグ、ミニトートバッグ

ホワイトに近いアイボリーは、新しい年の始まりに相応しい色。暗くなりがちな寒い季節の装いに合わせると、ぱっと華やかな印象になります。また、春から夏にかけては装いに清涼感をプラスします。


写真左からワンハンドルの手提げ、トートバッグ、ミニトートバッグ

グレーは冷たい印象ではなく、gentenらしいあたたかみのある色です。年齢を問わず、幅広いコーディネートに合わせられるので、ワードローブに一つあると心強いバッグです。

どちらのカラーも、ハンドルの“にぎり”部分や底面などに、gentenでお馴染みのミネルバボックスを使用しています。本体よりも濃い色がデザインを引き締めて洒脱な印象に。また、本体に比べて経年変化の速度が速いため、地艶が上がるほどに本体とのコントラストが楽しめます。
もし、ミネルバボックスを手にするのが初めてという方であれば、ミネルバボックスならではの透明感ある経年変化を手軽に体験いただけるバッグでもあります。

ワンハンドルの手提げはショルダーベルト付きです。内側の両サイドには大きなポケットが2つ。この2つを中央で留めるとメインコンパートメントのちょっとした目隠しになります。

トートバッグは底面がまん丸なバケツ型です。革のすべらかな質感も相まって、ネーミングの由来ともなった石造りの建築物を思わせます。

ミニトートバッグは、身軽なお出掛けにぴったりのサイズ感。取り外しできるショルダーベルト付きなので、その日の気分やコーディネートに合わせてお楽しみください。



スーツでもカジュアルでも。
スマートなメンズライン3型

メンズラインのdan gentenも「パンテ」を3型ご用意しています。こちらは、グレーとネイビーの2色展開です。

トートバッグは、シンプリシティを追求したデザインです。本体の幅が約36cm、高さが約33cmと正方形に近いフォルムが、スマートな印象を与えます。なお、メンズラインの革の厚みはレディースの約1.4mmよりも厚く約1.8mm。重い荷物も受け止める、頼りがいのあるバッグです。

トートバッグには、付属品としてボックス型の布製バッグを付けました。口元がファスナーなので、合わせて使えば防犯性が向上しますし、ボストンバッグやスーツケースなどに、さっと荷物を移せるバッグインバッグとしても活躍します。

細かな部分ですが、本体のはぎ合わせ部分にご注目ください。先にご紹介したレディース3型も同様のつくりですが、手間を惜しまない職人の手仕事にgentenらしさがのぞきます。


メンズラインdan gentenのトートバッグの内装

一般的に、革同士をはぎ合わせるときは、革と革の端を重ねて縫いますが、2枚の革をぴたりと隣り合わせてから、裏側に別の革をあててはぎ合わせています。こうすることで表側に段差がなくなり、あたりがやわらかに。また、見た目の美しさも格上げされます。

ショルダーバッグは大きさの異なる2型で、おおよそA4とB5のサイズ感です。

革のプレートで構成したつくりは、潔ささえ感じる佇まい。フロントのフラップは、あえて浮いて見えるようなつくりにこだわりました。フラップを開けるとファスナーポケットが現れます。

ショルダーベルトはホールを多くあけてあるため、身長に左右されずスタイルや装いに合わせて使えます。

■パンテのお手入れについて■

キズやシミが付きにくい革のため、お手入れいらずでお使いいただけます。一定の時間、水が染み込みにくい特性がありますが、濡れた時には乾いた布で早めに拭きとることで、より品質が長持ちします。

2020年1月10日公開

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