ハーブのある暮らし:後編

前編では、ハーブスタイリストの山本さんに、疲れた体を癒すハーブの手温浴やおすすめのハーブティーを教わりました。後編では、クリスマスやお正月のおもてなしにぴったりのハーブ使いや、新年に向けて部屋を気持ちよく整える方法を提案していただきました。

テーブルで映えるハーブ氷を
おもてなしのドリンクに

年末年始はホームパーティーや親戚の集まりなど、人を招く機会が増えるシーズン。おもてなし料理やドリンクと一緒に、準備しておくとテーブルが華やぐのがハーブ氷です。グラスに入れてミネラルウォーターや炭酸水を注ぐだけで、フレーバーウォーターに早変わりします。

「ハーブはお好みのものでいいのですが、ミントやローズマリーは、いろいろなドリンクとの相性がいいですね。色が鮮やかなフラワー系のハーブで作ってもきれい。グラスだけではなく、ワインクーラーやドリンクサーバーに大きめのハーブ氷を入れると、テーブルが華やぐのでおすすめです」(山本さん)


水の入った製氷皿にハーブを加えて、そのまま冷凍庫で凍らせるだけ。左の製氷皿にはミント、右にはローズマリーが入っています。「氷の真ん中にハーブがくるようにしたいときは、少々手間がかかりますが、水を製氷皿の半分まで入れてハーブを浮かべて凍らせ、凍ったらさらに水を足して凍らせます」(山本さん)


水筒やペットボトル用のスティック型の製氷皿はローズマリーにぴったり。「最近では100円ショップにもいろいろな大きさ、形の製氷皿があるので、ハーブの種類や用途で使い分けています」(山本さん)



気になる匂いや湿気をすっきり
ハーブ入りの手作り消臭剤

新しい年を迎えるにあたって、部屋の汚れだけでなく匂いや湿気とも上手にお別れしたいですね。そんなときは、消臭や湿気取りの効果のある重曹に、お気に入りのハーブを混ぜるだけで手軽に作れるハーブ入りの消臭剤がおすすめです。

「わが家では、シューズボックスやシンク下などに置いています。湿気を吸うと重曹が固まるのですが、その重曹はキッチン掃除に使っています。最後まで無駄なく使いきれるところも、手作りのいいところですね」(山本さん)


今回はローズを使いました。華やかで優しい香りはそれだけで気分が高揚します。


清潔な瓶に重曹とローズのつぼみを入れ、ゼラニウムの精油を数滴たらします。ローズとゼラニウムは相性も良く、ナチュラルで優雅な香りになります。


瓶にガーゼをかぶせて、麻ひもを結んで固定すれば完成です。


見た目もおしゃれ。ナチュラルなインテリアにも馴染みます。



ハーブを身近に感じられるサシェ
クローゼットや玄関も良い香りに

サシェとはドライハーブを布で包んだ香り袋のこと。部屋に置いておくだけで、優しい香りに包まれてリラックスできそうです。クローゼットやハンガーに吊るしたり、引き出しに入れて洋服に香りをうつせば、いつでも好きな香りを纏うことができます。バッグやオフィスの引き出しに入れておいて、気分転換に嗅ぐのもおすすめだそう。

「中身は好きな香りのものでいいんです。シューズボックスに入れるなら、抗菌作用のあるレモンバーベナやローズマリーなどがおすすめです。キッチンの虫よけには、料理で余ったクローブやローリエなどを活用。ラベンダーなどリラックス系の香りなら、枕の下などに入れておくと心地よい眠りにつけます」(山本さん)


ストレスや疲れを和らげる作用があるというカレンデュラ(マリーゴールド)を使用。ほのかに香る花の香りで気持ちが穏やかになれそう。


布袋に直接ハーブを入れてもいいのですが、お茶パックに入れるのが山本さん流。「ハーブが散らばらずに扱いやすいし、香りが薄くなったらそのまま入浴剤などに使えます」(山本さん)


ミニギフトとして誰かに贈るときは、オーガンジーの小さな巾着袋に入れることも。

玄関やバスルーム、車の中などにサシェを置いておけば、いつでもさわやかに過ごせます。お客さまを迎えるときには、香りでおもてなしするのも素敵ですね。ぜひ試してみてください。

前編はこちら


山本 真衣(ハーブスタイリスト)
20代のときにパニック障害になったのをきっかけにハーブに出会う。そこから独学でハーブや精油について学び、主婦ならではの視点で、暮らしに取り入れやすい活用法を日々研究している。現在、雑誌やweb上でハーブ料理のレシピを提供したり、ワークショップやSNSで「ハーブのある暮らし」を提案している。
HAVE A HERB!:https://www.haveaherb.com/
Instagram:https://www.instagram.com/haveaherb/

2019年12月13日公開