手軽にできるクリスマス気分のスイーツ

街が華やかに彩られ、いよいよクリスマスが近づいてきました。家でのクリスマスをもっと楽しむために、いつもはお店で買ってすませることの多い「シュトーレン」を、今年は手作りしてみませんか? 料理家の和田千奈さんに、ホットケーキミックスで手軽に作れるシュトーレンと、北米ではクリスマスの定番ホットドリンクだというエッグノックのレシピを教わりました。

初めてでも手軽に作れる
発酵なしのシュトーレン

最近では、日本でもクリスマスのお菓子としておなじみになってきたシュトーレン。もともとは1300年代に生まれた、ドイツの伝統的な焼き菓子です。切り口が山を通るトンネルのように見えることから、ドイツ語では「坑道」という意味があります。また、仕上げに粉砂糖を振りかけた真っ白な姿が、白い産着に包まれた幼子イエスのように見えることから、クリスマスの贈り物として司教に献上されていました。

「本格的なシュトーレンは使用する材料も多く、ドライフルーツを洋酒に何日も漬けたり、生地を長時間発酵させるなど、時間も手間がかかるものです。今回は、思い立ったときにすぐに作っていただけるように、ホットケーキミックスを使った簡単シュトーレンを考えました。ドライフルーツのラム酒漬けは、さまざまなアレンジもできるのでおすすめです」(和田さん)

ドライフルーツのラム酒漬け
[材料](作りやすい分量)
ドライフルーツ 180g
ラム酒 100ml

[作り方]
1 保存用の瓶は煮沸するか、アルコールスプレーなどで消毒して、乾燥させておく。
2 ドライフルーツはオイルコーティングされているもの(材料表示に油が含まれている場合は)は、ざるに入れて熱湯をまわしかけ、キッチンペーパーなどで水分をしっかり拭き取る。
3 深めの耐熱容器にドライフルーツ・ラム酒を入れてラップをふんわりとかけ、電子レンジ(600W)で1分~1分30秒加熱して、よく混ぜ合わせて保存瓶に入れる。
POINT 加熱中にラムが吹きこぼれないように、耐熱皿は深めのものを使いましょう。できてすぐでも食べられるし、半日ほどおくとよりおいしくなります。保存は冷蔵庫で1週間程度。冷凍保存も可能。


[アレンジ]
ドライフルーツのラム酒漬けは、お菓子に混ぜ込むのはもちろん、ヨーグルトにプラスしたり、お好みのチーズに添えるなど、作っておくと幅広くアレンジできます。

簡単シュトーレン
[材料]
ホットケーキミックス 200g
ドライフルーツのラム酒漬け 60g
卵 1個
砂糖 大さじ2
ヨーグルト 50g
溶かしバター 30g
ミックスナッツ 60g
シナモン、カルダモン、ナツメグ 各少々(シナモンだけでもOK)
粉砂糖 適量

[作り方]
1 ボウルに卵を割り入れ、砂糖、ヨーグルト、溶かしバターを合わせ、泡立て器でよく混ぜ合わせる。
2 1にホットケーキミックス、ドライフルーツのラム酒漬け、ミックスナッツ、スパイス類を加えてゴムベラなどでさっくりと混ぜ合わせる。
3 薄力粉(分量外)を振ったまな板に2の記事を乗せ、上から薄力粉をふって綿棒で厚さ約3cmの楕円形に伸ばし、下側になる生地の端を残して半分に折る。
4 170度に熱したオーブンで20〜25分焼く。焼き上がったら熱いうちに表面にバター(分量外)を塗り、粗熱が取れたら粉糖をふる。

POINT ヨーグルトを加えることで、冷めても生地が固くなりにくくなります。冷蔵庫で約4日間保存できます。本格的なシュトーレンよりは保存期間が短いのでご注意ください。


生地を折りたたむとき、ぴったりと真半分に折るのではなく、2~3cmほど下側の生地が少し長くなるようにずらして折りたたむと、シュトーレンらしい山形に焼き上がります。



寒い日はとろりとクリーミーな
エッグノックで温かい時間を


エッグノッグとは、北米でクリスマスの時期によく飲まれるホットドリンクです。日本では、寒い季節や風邪を引いたときに卵酒を飲む習慣が昔からありますが、洋風卵酒といってもいいかもしれません。もともとはヨーロッパ発祥で、北アメリカでアレンジされたといわれています。アメリカのスーパーでは、クリスマスの季節になると、瓶やパックに入ったエッグノックが店頭に並ぶほどポピュラーな飲み物なのだとか。

「温かいミルクセーキのような、どこか懐かしさもあるドリンクです。体がぽかぽかと温まるので、クリスマスはもちろん、これからの寒い季節にぴったりですね」(和田さん)

エッグノック
[材料]2人分
卵 2個
砂糖 大さじ4
牛乳 360ml
シナモン、カルダモン 各少々(シナモンだけでもOK)
お好みでラム酒 適量

[作り方]
1 鍋に卵を割り入れて砂糖を加え、泡立て器などでしっかりと混ぜ合わせ、牛乳を少しずつ加えて混ぜ合わせる。
2 1の鍋を中火にかけ、泡立て器で混ぜながら温める。温まってきたら弱火にして沸騰させないように注意しながら、とろみがつくまで温める。お好みでラム酒を加える。
3 2をカップに注ぎ、スパイスを振る。
POINT 泡立て器で鍋が傷つかないように、強い力で鍋肌をこすらないようにしましょう。加熱し過ぎると卵が固まってボソボソとした食感になってしまいますので注意してください。

忙しい毎日のなかでも、このレシピなら手軽にクリスマス支度ができそうです。家族や友達など、大切な人と、温かくおいしい時間をお過ごしください。

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和田千奈(料理研究家)
食べることが大好きな両親のもとで、料理のコツや楽しさを学びながら育つ。大学卒業後は航空会社の客室乗務員として勤務。多忙な生活の中で食の大切さを改めて実感し、食を伝える仕事をしたいと決心する。退職後は料理教室アシスタントを経て独立。現在は、雑誌、ウェブ、書籍、企業販促用のメニューやレシピの開発、フードスタイリング、デモンストレーションを含む料理教室講師などを幅広く手掛ける。
著書に『時短!簡単!からだが喜ぶ魚の水煮缶レシピ』、『毎日 みそ汁 からだ改善レシピ』、『4つのスパイスだけで作れるカレーなレシピ』(以上、DIA Collection)など。
2Box Kitchen Studio

2019年12月6日公開