ハーブのある暮らし:前編

今回、gentenスタッフがお会いしてきたのは、ご自身が体調を崩したことがきっかけでハーブと出会ったというハーブスタイリストの山本真衣さん。ハーブは、紀元前の昔から、エジプトやギリシャで医療用に用いられてきました。料理やお茶、ポプリなどのクラフトをはじめ、最近は手軽な栽培用キットも販売され、現代の私たちの生活にも身近な存在になっています。この季節に合う、ハーブの上手な生活への取り入れ方を教わりました。


ハーブハンドバスで体ぽかぽか
豊かな香りでリラックスも

「ハーブというと、どうしても難しい、使いこなす自信がないなど、ハードルが高いイメージを持つ方も多いんです。でも実は手軽に、毎日の暮らしを豊かにしてくれるものなので、多くの人にハーブに親しんでいただきたいと思って情報発信をしています」と山本さん。

主婦でもあり、二児の母でもある山本さんの提案する「ハーブのある暮らし」は、すぐにまねできそうなアイデアが好評を博しています。

20代のときに起業を経験した山本さん。仕事のプレッシャーとストレスで体調を崩し、原因不明の不調をいくつも抱えた時期があったといいます。
「何をしても楽しいと思えなかった時期に、唯一、趣味のフラワーアレンジメントで植物に触れているときだけは元気になれたんです。そこからハーブやアロマを本格的に学び始めました」

たとえば、手足の冷えが気になるこれからの季節には、ハーブたっぷりのハンドバスがおすすめだそうです。洗面器に張ったお湯に、好みのハーブを加えるだけなので簡単です。

「私はいつもテレビを見ながらハンドバスをしています。じんわりと汗がにじんできて、体の芯から温まるので、寒い季節はもちろん、体が冷えやすい人は夏でもぜひ試してみてください。足先の冷えが気になるときは、寝る前にフットバスをしてもいいですね」

先生がgentenのスタッフに用意してくれたのは、目にも美しい3色のドライハーブを使ったハーブハンドバスでした。下写真の左から、コーンフラワー(ヤグルマギク)、ローズ、カレンデュラ。どれもハーブ専門店やインターネットなどで購入できます。


コーンフラワー(ヤグルマギク)とローズは美肌に、カレンデュラは炎症を抑えたり、傷口が治るのを助けるといわれています。


50℃以上のお湯を洗面器に少なめに入れて、ドライハーブを適宜加えます。「お湯にハーブを浮かべると見た目が華やかになって気分が上がりますが、お掃除が面倒な方は、ハーブをお茶パックに入れてからお湯につけると、後片づけがラクです」(山本さん)


しばらく置いてエキスを抽出する。「蒸気と一緒に立ちのぼる香りを吸い込むだけで、リラックスできるんですよ」(山本さん)

水を足して、お風呂よりも少し熱いけれど、手をつけられるくらいの温度に調節する。


両手を手首まで湯につけて、ラクな姿勢で10~15分リラックスします。湯が冷めてきたら、熱いお湯を足しましょう。




ハーブビギナーでも飲みやすく
心身がくつろげるハーブティー

ハーブといえば、まずハーブティーを連想する人も多いかもしれません。種類や組み合わせがたくさんありすぎて、どれを選んでいいのか迷ってしまいます。山本さんに、ハーブ初心者でも飲みやすい、おすすめのハーブティーをお聞きしました。

「単体で飲んでも、ブレンドしてもおいしいのが、レモンバーベナ、レモングラス、リンデンの3種類です。レモンバーベナは不安や緊張をほぐしてリラックスさせる作用、タイ料理などにも使われるレモングラスは、胃腸の調子を整えてくれるといわれています。リンデンにも疲れやイライラを取り除く作用があるので、夜のリラックスタイムに飲みやすいお茶です」(山本さん)


レモンバーベナ、レモングラス、リンデルを2:1:1の割合で混ぜ合わせ、ティーバッグに詰めます。


ティーバッグの完成です。「ひも付きのティーバッグは100円ショップでも買えるんですよ」(山本さん)


ティーバッグを個包装すればプチギフトにも。山本さんも庭で育てたハーブをハーブティーにしてプレゼントすることがあるそう。

レモンバーベナ、レモングラス、リンデンのブレンドティーは、さわやかなレモンの香りと、すっきりとした飲み口で、gentenスタッフもすっかり気に入ってしまいました。




使いきれずに余った生のハーブは
乾燥させておくと幅広く使える

料理で使ったハーブが余ったとき、ハーブをたくさんもらったとき、自宅で育てているハーブがたくさん収穫できたときは、ドライハーブにしておくと便利なのだそう。

「私も自宅で30種類以上のハーブを栽培しているので、春から夏にかけては大量に収穫できます。ドライハーブを作っておくと日持ちもするし、ハーブティーやお料理にはもちろん、お風呂に入れたり、サシェやポプリを作るなど、生活に取り入れやすくなります」(山本さん)


ドライハーブは、ハーブ(上の写真は山本さんの庭で収穫したラベンダー)を洗って水分を拭き取り、重ならないようにざるなどに並べ、風通しがよく、直射日光の当たらない場所で干して乾燥させます。ドライハーブができたら、密閉容器で乾燥材と一緒に保存するのがコツ。

ハーブはプランターでも栽培ができます。寒さに強く、越冬できる品種もあるので、この秋、ベランダガーデニングから始めてみるのも楽しいかも。

季節の変わり目で、急に冷え込むことも多いこの時期、今回ご紹介したハーブハンドバスやハーブティーで体を温めて、リラックスする時間をぜひ作ってみてください。

後編に続く


山本 真衣(ハーブスタイリスト)
20代のときにパニック障害になったのをきっかけにハーブに出会う。そこから独学でハーブや精油について学び、主婦ならではの視点で、暮らしに取り入れやすい活用法を日々研究している。現在、雑誌やweb上でハーブ料理のレシピを提供したり、ワークショップやSNSで「ハーブのある暮らし」を提案している。
HAVE A HERB!:https://www.haveaherb.com/
Instagram:https://www.instagram.com/haveaherb/

2019年11月1日公開