【2019年春】江戸の「粋」に敬意を表して

「粋」とは、さりげなさに隠された美意識のようなもの。「オジャミ」がモチーフにしたのは、江戸の人々に愛された粋な小紋柄です。どことなく、日本人になじみ深いフォルムのバッグができあがりました。


特殊な技法によって
江戸小紋のような柄を表現

遠目からは一枚布のように見える「オジャミ」ですが、微妙に異なる2色のキャンバス地でできています。

全体に切り紙のような柄が並ぶ格子文様は、刺繍でもプリントでもありません。まず、しっかりとした帆布をベースに、もう一枚のキャンバス地を重ねて圧着。そのあと、上の生地だけを部分的に溶かす加工を施してから洗いをかけ、江戸小紋のような柄を表現しています。


使い込むほど、柄の生地の縁がほぐれて、ふわふわとやわらかな表情に変化していきます。

この生地も、ハンドルに使用した牛革も、日本製。バッグの縫製も日本国内で仕上げました。

カラーも江戸の粋とつながりがあります。かつて江戸時代の町民たちは、工夫を凝らして茶色系や鼠色系の染色を数多く編み出したといわれています。それらを総称した言葉が「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」です。茶色系や鼠色系の多様なバリエーションを表すもので、実際にはこのネーミング以上の色数があったといわれています。


「オジャミ」は、そんな伝統色をリスペクトした2色をご用意しました。「辛子色」と「鼠色」と表現した方がしっくりくる色合いです。


また、オンラインショップ限定ではありますが、深い紺色もご用意しています。数に限りがありますので、気になる方はお早めにご確認ください。




お手玉にヒントを得た
どこかなじみ深いフォルム

語感が楽しい「オジャミ」とは、地方の方言で「お手玉」のこと。お手玉は、江戸時代から流行し始めた遊びといわれています。なぜ、このネーミングなのでしょうか? それは、お手玉のつくりを転用しているからです。参考にしたのは、長方形の4枚の布を縫い合わせてつくる座布団型のお手玉。バッグの底の部分を見てみると、本物のお手玉と同じかたちをしています。


gentenスタッフが手づくりしたお手玉と並べてみるとこのとおり。



表地も、内側のポケット部分も、職人が一つひとつ手作業で縫い合わせています。


表地の折り返しの始末も手作業です。


バッグ上部は、正面から見るとMの字を描くようなシルエット。大きく開いて物の出し入れが手軽ですし、ハンドルの下がV字になっているので、肩に掛けるのにも適した仕上がりになりました。

国産の牛革でつくったハンドルは2本。前後どちらから見ても、持ち手の端をきゅっと結んだデザインです。これは、帯留めや風呂敷に見られる「結び」のモチーフを取り入れたものです。


口の部分はサッと物を出し入れできるよう、イージーな差し込みタイプにしました。




ラフにどんどん物が入れられて
大きいサイズは小旅行へも

「オジャミ」は、大きさの異なるトートの2型展開です。大きいトートは、収納力抜群。タウン使いはもちろん、1泊2日の小旅行でも活躍しそうです。



小さいトートは、手に持ったり肩に掛けたりするほか、こんなふうにハンドルをまとめて持つと、巾着のような表情になります。

本体が丈夫な布製で軽量なので、ラフにどんどん物を入れられるのも嬉しいポイントです。


内側に設けたポケットは、ファスナータイプとオープンタイプを重ねたつくり。貴重品やパスケースなどはこちらに入れると使い勝手が良いと思います。

■オジャミのお手入れについて■

布製の本体は、汚れが気になるときにブラシをかける程度で大丈夫です。使っていくうちに、柄の周りが少しずつほぐれていき味わいが増していきます。そのエイジングもお楽しみください。
雨の日も気にせず使える布製のバッグだからこそ、牛革を使用したハンドルには防水スプレーのご使用をおすすめします。乾燥が気になる場合は、gentenのデリケートクリームやコンディショニングクリームをお使いください。

※「オジャミ」は実店舗、オンラインショップともに2019年2月27日より販売いたします。

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