植物のある暮らし 第6回「クリスマス」

冬の足音が聞こえると、クリスマスはもうすぐそこ。1年の中でも、家族の集まりやパーティーがとても多い時季でもあります。気のおけない人たちと囲むテーブルに生ける花を、時には手土産にするのも素敵。今回は、そんなプレゼントにも喜ばれそうなクリスマス向けのアレンジをご紹介します。もちろんご自宅にもぜひ。教えてくれるのは、「リリー オブ ザ バレイ サロン ド フルール」代表・橋本さんです。


お子さんも喜ぶ
ショートケーキ風アレンジ

クリスマスのアレンジのひとつめは、お子さんでも簡単に作れる、ケーキのようなお花のアレンジ。お皿にのせて食卓に、華やかで愛らしい雰囲気を演出しましょう。

用意するのは、メラミンスポンジとバラの花。もちろんお好みのお花で構いません。

まず、メラミンスポンジをショートケーキのような三角形にカットします。オアシスと同様にパン切りナイフを使うと切りやすいです。それを水に浸しておきます。


バラの花を短く切ります。根元は斜めに。こうすることでしっかりと水を吸ってくれるようになります。


あとは、三角形に切って水を浸したメラミンスポンジに、バラの花を挿して、お皿に盛るだけ。あれば、ブルーベリーやいちごなどのフェイクフルーツをあしらうと一段とワクワクする仕上がりになっておすすめです。




ココットを利用して
ホールケーキ風アレンジ

ふたつめにご紹介するのは、ホールケーキをイメージしたアレンジメント。用意するのは、ココットとオアシス、メラミンスポンジ、そしてバラ、ピットスポルム、マトリカリアなどの生花と、ドライオレンジやシナモンなどのあしらい。※もし、園芸店で売っている白いカラーオアシスをご用意できる場合は、メラミンスポンジは不要です。


ココットに、水に浸したオアシスを入れます。高さはココットより低めにするのがコツ。この上にふたをするように、薄く切ったメラミンスポンジをのせて使います。オアシスのグリーンをすっぽり隠すことで、クリームを塗ったケーキの土台の見立てます。


さて、花を生けましょう。バラの花をまず生け、まわりにピットスポルムを生けていきます。土台の白さとピットスポルムのやわらかなグリーンでバラの色が映えるので、たっぷりのバラの花がなくても大丈夫。

「今回はいちごのイメージで赤いバラを使っていますが、オレンジ系やイエロー系のバラでも可愛く仕上がります。バラはいろいろな色がありますが、このアレンジには暖色系のものを選ぶといいですよ。食欲をそそる色なので、いかにもそれらしく見えます」


さらに、短く切ったマトリカリアやドライオレンジ、シナモンなどを生ければ、お花のホールケーキの出来上がり。

「テーブルにケーキを出したままにはできないですが、お花のアレンジはずっと出しておくもの。クリスマスケーキって、ワクワクしますよね。お子さんも喜んでくれるアレンジなので、一緒に作ればますます良い思い出の一夜になるはずです」




 ゆったりと大人の時間に
フローティングキャンドル

最後に、ホールケーキ風アレンジで残ったマトリカリアを活用してのフローティングキャンドルをご紹介します。

マトリカリアは、根元で切ると水に浮かびます。キャンドルに揺れる花の影が、テーブルに映る様子を見ていると、リラックスできますね。みんなでワインやお茶を楽しむテーブルにぴったりです。

「マトリカリアのフローティングキャンドルは、大人の時間に。ゆったりとしたおしゃべりの時間に明かりを消して、キャンドルの灯りだけを楽しむのもいいですよ」と橋本さん。

手の込んだことというよりは、ちょっとしたアイディアを形にすること。そんなことが誰かを幸せな気分にしてくれるとしたら、それはとても幸せなことです。

みなさま、素敵なクリスマスをお過ごしください。


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第1回「桜」
第2回「すずらん」
第3回「カーネーション」
第4回「秋の七草」
第5回「ハロウィン」

橋本美穂(はしもと・みほ)
第一園芸ホテルオークラ店勤務の後、ヒビヤフラワーアカデミーでのインストラクターを経て2003年独立。リリー オブ ザ バレイ サロン ド フルール代表。

【店舗情報】
東京都新宿区新宿1-3-2 サンクチュアリ新宿御苑アネックス1F
03-6808-2555
営業時間 平日:12:00~19:00、土日祝:11:00~17:00
定休日:月曜
公式サイト:http://www.suzurankai.com