オーガニックワインのすすめ 第6回

秋といえば、行楽、読書、芸術、そして食欲。「料理とワインのマリアージュ」とはよく言われることですが、ワインを選びながらどんな料理と合わせようかと思いを馳せる時間は楽しく豊かなものです。

さて、今が旬の食材をふんだんに使った料理には、どんなオーガニックワインを選んだらいいのか。オーガニックワイン専門店「マヴィ」の田村安さんに選んでいただきました。



大地の恵みの根菜や、森の恵みのきのことともに
レニエ(クリュ・ボジョレー)赤

ボジョレー・ヌーヴォーで知られるボジョレー地区の中でも、長熟タイプのワインを産むことで知られているレニエ村。その村で唯一造られているオーガニックワインがこの1本。

生産者のランポン氏が所有する畑はなんと3haのみ。その小さな畑を、馬や手押し車を使って耕し、道具もすべてワインの博物館にあるような手動のものを使って、丹精込めたワインを仕込んでいます。

軽やかでやさしく、滋味あふれる味わい。芯のしっかりしたピュアな印象は造り手の人柄を表すかのよう。根菜や秋のきのこにぴったりなので、さまざまなきのこのソテーをソースにしたステーキなどに合わせるのがおすすめです。



鮭やさんま、牡蠣などの海の恵みに
ボルドー(アントル ドゥー メール)白 シャトー プショー ラルケ

ボルドーというと、5大シャトーをはじめとした、数多の格式高いシャトーが立ち並ぶ地域ですが、その中でも、軽快で飲み口の良い手頃な白ワインを造る地域として知られるのが、アンドル・ドゥー・メールです。

生産者のピヴァ氏はイタリアのピエモンテ州出身の3代目。ワイン生産のチャレンジャーが多いボルドーの地で、金メダルを総なめにした実力者です。ずっとオーガニックなワイン生産を続けてきましたが、1984年に改めてオーガニック認証を取るようになったワイナリーです。

柑橘系の香りと程よい酸味、ミネラル感の感じられるきれいな味わい。華やかで酸のキレが良いのが特長です。合わせるなら、鮭のホイル焼きや、さんまのマリネ、ボルドー名産でもある牡蠣がおすすめです。



牛肉や鴨肉、こっくりとした煮込み料理にも
ブルゴーニュ 赤 ドメーヌ シャペル

「僕が一番好きなワインです」と田村さんが言ってはばからないのが、このブルゴーニュの赤ワイン。ボーヌ地区のサントネーの生産者、シャペル氏の手によるものです。

サントネーは、ボーヌ地区の中でも比較的軽やかなワインが多い地域。真面目で学者肌なのに、お茶目なところのあるシャペル氏の造るワインは、可愛らしい果実味がありながら、シナモンや土のようなニュアンスを感じられる味わい。フレンドリーなのにしっかりとした印象のワインです。

ぜひ合わせてほしいのは牛肉のしゃぶしゃぶ。もちろん鴨や、シチューなどの煮込み料理にもぴったりです。



食があってこそのワイン。
料理に寄り添うワインを日常に。

「オーガニックワインはさまざまな補正をせず、ぶどう本来の特長と味わいが楽しめるものです。だからこそ、食事にも合わせやすいと思います。秋らしい旬の味覚にしっかりと寄り添ってくれます。オーガニックワインがあることで、きっと毎日の食事がもっと楽しくなりますよ」。


オーガニックワインのすすめのその他の記事はこちら
第1回「桜色のワイン」
第2回「ちょっと上質な週末のワイン」
第3回「ナチュラルなボジョレーヌーヴォー」
第4回「ビオワインとは?」
第5回「ジャケ買いしたくなるワイン」


オーガニックワイン専門店マヴィ 赤坂本店
住所:東京都港区赤坂2-21-5
電話:03-6277-7169
営業時間:月~金曜12:00~20:00/土・日曜12:00~19:00
定休日:祝日
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