オーガニックワインのすすめ 第3回

無農薬、有機栽培、無添加……。なんとなくからだに良さそうで、でもよくわからないオーガニックワインのこと。gentenスタッフが、日本初のオーガニックワイン専門店「マヴィ」の創業者・田村安さんに、オーガニックワインの世界を案内してもらっているこの企画。今回のテーマは、「ナチュラルなボジョレーヌーヴォー」です。


その年にとれたぶどうからできた
真新しい味わいを楽しむ

11月の第3木曜はボジョレーヌーヴォーの解禁日。今年は11月15日がその日に当たります。例年、解禁日のワインショップやスーパーには、たくさんのボジョレーヌーヴォーが並びます。その年のワインの出来を占うといわれ、誰もがその味わいについて語るワインと言っても過言ではないかもしれません。

「直訳すると、『ボジョレー地方の新しいワイン』のこと。その年にとれたぶどうで造る新酒をいいますが、フランスのマーケティング商品のひとつでもあります。
マーケティングに成功して爆発的に世界中の需要ができたわけですが、そのせいで十分に仕上がっていないものが出荷されてしまったり、安さばかりを売りにした工業品的なものが大量に出回ってしまったという弊害がありました。
こうしたことで評判を落としていたボジョレーヌーヴォーですが、近年では意欲的な生産者も参入してきて、上質なものも続々と誕生しています」と語る田村さん。では、おすすめのオーガニックワインは?

ボジョレーヌーヴォー

「マヴィ」で扱っているボジョレーヌーヴォーは、昔ながらの製法で手間暇をかけて造られたもの。このワインは、元農学校教授のシュブラン氏が手がけるものです。

その特長は造り方にあります。ぶどうをタンクに入れ、自然に発生した二酸化炭素で色を引き出す「マセラシオン・セミ・カルボニック」を採用。一般的な方法だと2~3日でできてしまう工程を、5~7日間かけて行います。
ボジョレーヌーヴォーとはいうものの、しっかりとした造りなのであえて数か月後まで取っておいて飲んでもおいしいのだそうですが、もちろんすぐに開けても美味。フルーティーでフレッシュな味わいを存分に楽しめます。


ボジョレーヴィラージュヌーヴォー

ボジョレーヴィラージュヌーヴォーは、たった3haの畑から造られるうちのごく一部のワインでもあるので、生産量がとても少ないワインです。
飲み口はやさしいのにしっかりとした味わいで、やわらかく安定感があります。田村さん曰く「ゆっくり寝かせてから楽しみたいけれど、生産量が少ないから寝かせておく間もなく、なくなってしまうのが残念」。ゆっくり寝かすか、フレッシュなうちに飲み切るかを選ぶのはあなた次第、というところでしょうか。


今年の天候はどうだった?
ボジョレー生産者からの便り


「今年のボジョレーは好天が続き、とても暑い年だったそうなので、しっかりした酒質のものが出来上がりそうですよ」と田村さん。合わせるなら牛肉や根菜類がおすすめだそうです。今年のボジョレーヌーヴォーは、オーガニックのものを選んでみるのも楽しそうです。


オーガニックワイン専門店マヴィ 赤坂本店
住所:東京都港区赤坂2-21-5
電話:03-6277-7169
営業時間:月~金曜12:00~20:00/土・日曜12:00~19:00
定休日:祝日
https://mavie.jp/akasaka/

オーガニックワインのすすめのその他の記事はこちら
第1回「桜色のワイン」
第2回「ちょっと上質な週末のワイン」