gentenの素材の話 第1回 ミネルバボックスとミネルバリスシオ

gentenで使用している素材についてご紹介するシリーズ。第1回目はgentenらしさのカギともいえる、バケッタレザーのお話です。

バケッタレザーとは、植物性のタンニンだけを使用して、じっくりと時間をかけてなめした革のこと。イタリア・フィレンツェでは10世紀以上前から伝わる昔ながらの製法です。化学薬品を使用すれば時間も手間も省くことができますが、バケッタ製法でじっくりと時間をかけて仕上げられた革は、独特の風合いを持ち、今でもこだわりの素材として人気があります。フィレンツェでも名門タンナーとして呼び声の高いバダラッシ・カルロ社のバケッタレザーがミネルバボックスとミネルバリスシオです。これらは革そのものの自然な風合い、共に長く過ごすことを大切にしたいというgentenの考え方を裏付ける素材とも言えます。今回はこの二つの特徴をご紹介します。

バケッタレザーの中でも最良質といわれる肩まわりを含む一枚革。ミネルバ2種はノルマンディ産のステア(雌牛)のみを使用。ふくよかで上品な質感がgentenによく合います。


時間と手をかけた表情のある
ミネルバボックス

表情豊かなシボが、しっとりと柔らかく手になじむ。時間が経つにつれてツヤを増し、落ちついた輝きを見せてくれる。これがミネルバボックスです。gentenではブランド発足から続く人気シリーズ、トスカで使用しています。部位によってシボの入り方が変わり、同じアイテムでも質感が異なるのも魅力のひとつです。もうひとつのミネルバリスシオもそうですが、バダラッシ・カルロ社では仕上げのオイルにもこだわり、天然の牛脚脂を使用しています。またこの工程に時間をかけているため、革の内部にたっぷりとオイルを含んでいます。使っていくうちに表面にオイルが現れ、透明感のある経年変化(エイジング)が楽しめるのも、ミネルバ2種ならではの特長です。

デイリー使いするだけで内部に含まれたオイルが表出し、左のようなツヤのある質感に。目安は一日おきに使って約半年間。


ミネルバリスシオ
なめらかで美しい革らしさ

イタリア語で「スムース(なめらか)」を意味するリスシオ。ミネルバボックスと最も異なるのが銀面の表情です。スムース革とも呼ばれ、ハリがありながらもなめらかな質感です。革という素材本来の美しさを楽しむことができるのがミネルバリスシオの一番の特長です。そのシンプルな素材感から、gentenではアマーノやカットワークで使用しています。店頭でも人気のシリーズですので、一度は手に取られた事のある方も多いと思います。シボが無い分、デザインや使い方、ライフスタイルによって経年変化が色濃く出るのも、この素材の面白いところです。

現在は販売していないスタッフの私物です。日ごろ良く触れる部分、日に焼けた部分が濃く、ツヤが出ているのが分かります。


タンナー直伝!
“基本の”お手入れは……

使い続けるうちに、バケッタレザーの特長でもある、たっぷりと含まれたオイルが革内部から表出してきます。ですから普段のお手入れは拭くだけ。それだけでいいの!? と驚かれる方も多いと思いますが、これはgentenスタッフがバダラッシ・カルロ社の職人さんに伝授してもらったお手入れ法なので、間違いありません。使ったら、その日のうちに柔らかい布で乾拭きをして1日休ませる。こうした基本のお手入れを続けることで、傷やシミを防ぐことができるのだそうです。イタリアでは1000年も前から生活の道具として日常的に使われてきた革ですから、これくらいのシンプルなお手入れというのも頷けます。雨のシミや傷などの特別なメンテナンスはこちらの記事をご覧ください。

バケッタレザーのもつ自然の温かみ、豊かな表情はgentenのアイテムの根幹ともいえます。店頭で実際に触れて、持って、感じてみてください。


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