蔵前めぐり「カキモリ」第1回

gentenが工房を構える“ものづくりの街・蔵前”は、休日のお散歩も楽しくなる魅力的なお店がたくさん! 私たちgentenスタッフがお気に入りのお店をご紹介します。今回は、書く楽しさを見つけられる文具店「カキモリ」さんにお邪魔しました。

書くことが好きな人がワクワクする
オリジナルの文具雑貨が勢ぞろい

外からもお店全体を見渡せる大きなガラス窓から店内を覗くと、棚に隙間なく収まった色とりどりの紙と、カウンターに置かれた製本機が目を引きます。「カキモリ」さんは、まるで試し書きのようなロゴの通り、書くことに寄り添い、書く楽しさを再発見させてくれる文具のお店。表紙や中紙を選んで仕立てる「オーダーノート」も評判です。※gentenスタッフのオーダーノート作りは次回詳しくご紹介します。お楽しみに!

最近では海外からもお客さんが多く訪れるとか。気持ちをワクワクさせてくれる文具がたくさん並んでいて、1日中居ても飽きることはなさそうです。

オリジナル文具のひとつが「ローラーボールペン」。他ではなかなか見られない万年筆インク専用のボールペンです。インクで書かれた文字は、書く人の筆圧やクセによって、微妙にインクの濃淡やかすれ具合が変化するところが魅力です。インクの多彩さを楽しみたいけれど万年筆はちょっと敷居が高い、ボールペンのようにもっと気軽に使いたい、という思いに応え、ドイツのペンメーカーにオーダーして作ってもらったのだとか。

万年筆用インクを付属のコンバーターに補充して使いますが、そこには「ちょっとした手間、書くための準備の時間も楽しんでほしい」という「カキモリ」さんの想いがこもっています。ギフトとしても人気だそうです。瓶に入って棚にずらりと並べられた色とりどりのインクは、耐水性があり、なめらかな書き味の「万年筆用水性顔料インク」です。窓辺に佇む漆黒のピアノをイメージしたという「Piano」、歴史ある劇場の幕のような赤紫色「Classic Theatre」など、色名にもひとつひとつストーリーがあり、書く時間を豊かなものにしてくれそうです。自分だけのオリジナルインクを作れる姉妹店の「inkstand by kakimori」(予約制)も同じ蔵前にあるので、そちらも訪れてみたいと思います。

発見! 日常使いの芸術品・ガラスペン
“今”だからこその“手書き”の魅力

美しい佇まいに目を引かれたのが、軽井沢のガラス工房「てとひ」の藤田素子さんによる「ガラスペン」です。ペン先の加工の繊細さ、ドイツガラスならではの透明感のある美しさは、恐る恐る試し書きをさせていただいたのですが、ふだん使っているボールペンとも、万年筆ともちがう軽やかで不思議な書き心地。紙の質感をペン先で感じながら、さらさらとなめらかに書くことができました。一度インクをペン先につけたら、便箋1枚くらいはそのまま書くことができるのだそうです。

「カキモリ」さんオリジナルの便箋や一筆箋、封筒、はがきも多くの種類があり、加工を近所の職人さんが手掛けているそうです。最近はメールやSNSでのやり取りが増え、手紙を書く機会がだいぶ減ってしまいましたが、人が書いた文字の温かさや、紙独特の手触りは他に代え難い味わいがあります。一文字一文字綴って封筒に入れ、住所を書いてポストに入れる、という手間を経ることで、相手に伝わる思いもあるのではないでしょうか。

 かつての蔵前は、文具製造や卸を手掛ける会社が集まる街でもありました。「カキモリ」さんのノートの中紙や、封筒、ライナーなどのオリジナル文具は、ここ蔵前の職人さんたちの手によって作られたり、加工されたりしています。今回、お話を伺ったり、オリジナルノートを作ったりしてみて、あらためて「手で書くって豊かな作業だな」と感じました。これからも繰り返し立ち寄りたくなるお店です。

今年の夏は金曜・土曜日限定の特別営業で「夜カキモリ」として、通常よりも営業時間を2時間延長しているそうです。お仕事帰りや、蔵前散歩の締めに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。(2018年 8月25日まで。火曜~木曜、日曜は11:00~19:00)

【予告】
蔵前めぐり「カキモリ」第2回「gentenスタッフがオリジナルノートつくりました」は、8/24(金)公開予定です。


店舗情報
カキモリ
住所:東京都台東区三筋1-6-2
電話:050-1744-8546
営業日:11:00-19:00
定休日:月曜(祝日の場合は営業)
http://kakimori.com/

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