シンプルに暮らすための収納術 第3回 誰か来る日のおもてなし収納

頑張りすぎなくていい
ゲストも自分もくつろげる空間を

ふだんは片付けや収納に苦手意識があっても「いつでも気兼ねなく人を呼べる部屋にしたい」という想いは持つ人は多いでしょう。お客さんが来る日は、朝から張り切って掃除をする人もいるかもしれません。今回は、ライフオーガナイザーの会田麻実子さんに、ふだんの暮らしの中で楽にできて、ゲストが心地よく過ごせるヒントを教わりました。

「決して頑張り過ぎない、完璧を求めすぎない」というのが会田さんの片付けのモットーです。おもてなしだからといって肩肘張って頑張り過ぎないほうが、ゲストも自分もくつろげるのかもしれません。

家の第一印象になる玄関は
シンプルだけど温かみのある演出を

白で統一された会田家の玄関には、入ってすぐ目に入る場所に小さな棚が設置してあります。鍵や印鑑など、玄関先で使うアイテムを収納してあるほか、季節の花やグリーン、小さな置物などを飾っています。大げさではないけれど、シンプル過ぎないディスプレイに心が和みます。

来客用のスリッパは、使い慣れたジュートかごに収納。ナチュラルな風合いがインテリアになじんでいます。

「ライフオーガーナイズの勉強をする前は、買い物が大好きで、かごなどのインテリア小物も山ほど持っていたんです。自分の価値観と照らし合わせて、ものを選んでいく作業の中で手放したものも多いですが、本当に自分が気に入っているものは、今でもこうして使っています」


洗面所やキッチンなど
水回りを整え、光る部分を磨く

毎日使う洗面所やトイレ、キッチンなどは、気づかないうちに汚れがたまりやすい場所です。来客時にはゲストも出入りするので、水垢や曇りなどをきれいにして、気持ちよく使ってもらうことも、おもてなしのひとつなのだとか。

「お客様が来るときは、シンクや蛇口類、鏡、ステンレスなど、水回りの光る部分をとにかくピカピカに磨きあげます。光る部分が光っていると自分でも気持ちがいいし、きちんと片づいた家、という印象になります」

ふだんの会田家の洗面台は、ご主人のシェービングアイテムや整髪料などが、すぐ手に届く場所に並んでいます。来客のときだけ、ご主人のアイテムを収納ケースにひとまとめにして、洗面台下の扉の中にしまうのだそうです。

「夫は、ものをしまい込むのではなく、使いやすい場所に出しておくほうが好き。その気持ちを尊重したいので、ふだんは出しっぱなしです。ただ、お客様にはあまり見られたくないので、来客時にはサッとしまえるようにケースを用意しています」

散らかりやすいアイテムを、サッと片づけるための収納ケースを準備しておくアイデアは、すぐにまねできそうですね。


さりげないグリーンやお花で
ウェルカムの気持ちを伝える
 

会田家を見回すと、部屋のあちこちにグリーンが飾られていることに気づきます。眺めているだけで気持ちが癒されて、くつろいだ時間を過ごすことができます。会田さんが特に好きなのは、手入れが簡単な「枝もの」なのだそうです。

「季節感が出しやすいし、手間がかからず、長持ちするところもいいですね。枝ぶりに個性があって楽しいし、たった数本でも迫力があるところも気に入っています」

ダイニングテーブルに飾っている花は、季節やゲストに合わせて選ぶのを楽しんでいます。シンプルなガラスの花瓶で、短めに活けるのが会田さん流。隣に置かれた重箱は、来客用のお菓子を収める菓子器として使っています。

「ライフオーガナイザー仲間に教わった方法なのですが、短めの切り花にして、人のいないときはビニール袋をかぶせて乾燥を防ぎ、花瓶ごと野菜室に保存すると、暑い季節でも長く持たせることができるのでおすすめです。お気に入りの花やグリーンがあるだけで、季節ごとに部屋の雰囲気を変えることができるので、おもてなしにぴったりです」


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第1回 シンプルに暮らすための収納術

第2回 生活感を無理なく隠すテクニック

第3回 誰か来る日のおもてなし収納



会田麻実子
ライフオーガナイザー®
片づけ収納ドットコム副編集長

金融企業の広告部門を経て、子どもの頃から苦手だった片づけを克服した経験をもとに、ライフオーガナイザーの資格を取得。自宅公開型のレッスンや、クライアント宅での片付けレッスンを通じて「自分らしい片づけ」を提案して好評を得ている。
https://www.kurashito.net/