gentenの象徴(シンボル)、一枚革を型抜いたマルチカットワーク

地中海沿岸の意匠をモチーフにした
時代を越えて愛され続けるデザイン。

「gentenといえば」で思い浮かべる方も少なくない「マルチカットワーク」は、ブランド初期からの不動の人気シリーズです。その人気の理由こそ、花の中央に星を配したオリエンタルな趣のパターン。

実はこれ、地中海沿岸の家や調度品などに使われる伝統的な意匠がモチーフなんです。当時の担当デザイナーが海外の写真集を見ていたときにピンときたそうで、特にモロッコなどの暑い地域の家に見られる、風を通す風窓から、型抜きバッグのイメージが広がったのだそうです。


きらめく太陽、緑濃い木陰、乾いた石畳、ゆるやかで穏やかな時間の中をさわやかに吹き抜けていく、地中海からの海風。そんな南ヨーロッパの原風景を思い起こさせ、歴史に培われ、研ぎ澄まされたシンプルでモダンな美意識の結晶でもある。それが「マルチカットワーク」の原点です。

型抜きに使うのは、当初から変わらない大・中・小、計7タイプの金型。そのブロックを職人が一つひとつ組合せ、調整して抜き出しています。手間はかかりますが、だからこそgentenらしいクラフト感が生まれています。簡単に一枚の金型から抜き出す機械化・自動化はできません。


なめらかな風合いのイタリア産牛革。
型抜きならではの“軽さ”もメリット。

「マルチカットワーク」に使用しているのは、2mm強の厚みのあるイタリア産の牛革です。丹念に鞣(なめ)してオイルを十分に含ませた革はしなやかで丈夫。だから、繊細な柄部分の耐久性を心配される方もいるかもしれませんが、私が知る限り、切れたことはありません。

また、一般に、革のバッグは夏には重厚と思われるきらいがありますが、「マルチカットワーク」はもともと風が通るイメージから生まれたバッグであり、抜けが清涼感や軽快さを感じさせるので夏の装いにもぴったりです。

実用面からいっても、型抜きをしていることで、一枚革のバッグでありながら、意外と重くありません。「持ちやすい」とご好評をいただいている、大きな理由です。


デザインもカラーも毎年、新作登場。
誰にでも、どんなシーンにでも。

「マルチカットワーク」のパターンは、いつ見ても新しさと落ち着きがあって、ノンエイジ。ちょっと手前味噌かもしれませんが、ここまで飽きのこないデザインは、実は広く世間を見渡してもそうあるものではありません。バッグから小物まで、さまざまなものが作れるし、カラーも選びません。

レギュラーカラーはヌメベージュと茶で、プラス、シーズンやその年ごとに限定色を展開しています。例えば、上の写真のバーガンディや、昨年のクリスマス限定カラーで完売した白など、通常のgentenよりは大胆な色遣いをしても馴染むのが「マルチカットワーク」です。

型でひとつご紹介すると、今年の新作「マルシェトート」は、歴代のシリーズの中でも「ものがザックリ入るバッグ」をイメージしたものです。夏には、インナーポーチなしで、カゴバッグ感覚でカジュアルに装うのも素敵だと思います。

作り手のこだわりとしては輪に仕上げた持ち手で、手提げでも肩掛けでも具合のいい長さを見つけるために、微妙なサイズ調整を重ねました。


もう一つ。「マルチカットワーク」のインナーポーチや内貼りに使用しているのは、天然素材の麻と綿のオリジナル生地です。これも昔からずっと変わっていません。

おかげさまで「マルチカットワーク」は、店頭で一目惚れして、これをきっかけにgentenを知ったと言ってくださる方や、いろいろ買い揃えてくださっているコレクターの方、初期のモデルを大切に使い続けてくださっている方など、たくさんのファンの方々に愛され、支えられています。

私たちスタッフ一同にとっても思い入れの深い「マルチカットワーク」。幅広い方々、幅広いシーンで分け隔てなく使ってもらえるように、gentenの基本であるユニセックスも意識しながら、ますます世界を広げていきたいと考えています。

最後に、正式リリースに先立って、こっそりご紹介させていただくのは、今秋発売予定のマルチカットワークのがま口型長財布です。1年前に仙台店のオープン1周年記念で限定販売したものが、多くの皆様からのご要望で2018年秋冬コレクションとして復活することになりました(ありがとうございました!)。

詳細が決まり次第、またお知らせします。ぜひお楽しみに


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