オーガニックワインのすすめ 第2回 ちょっと上質な週末のワイン
週末はなにを飲む?
ゆるやかな時間とともに楽しむ上質なワイン。
仕事や家事を片付けてひと段落したら、週末はゆっくりとした時間をもちたいもの。好きなDVDを見たり、読書をしたりと趣味に興じるのもよし。そんなひとときを共にするなら、ちょっと上質なワインを。週末の大切な時間をより豊かにしてくれます。
今回も引き続き、オーガニックワイン専門店マヴィの田村さんに、週末に楽しみたいワインをチョイスしていただきました。
このワインの生産地は、アルザス地方のコルマール近郊のベルグホルツという小さな村。コルマールは“ハウルの動く城”の舞台であり、ネック部分に描かれたコウノトリがたくさんいる清らかな土地として知られています。
シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で造られたこのワインは、白い花のような華やかな香りとさわやかな果実のような味わい。繊細な泡と丸みのあるやわらかな口あたりが上品です。乾杯だけではなく、さまざまな料理にも合わせやすいので、食中酒としても。シャンパーニュに引けを取らない味わいが、食卓を華やかにしてくれます。
通常、1種類のぶどうだけで造られることの多いアルザスワイン。ですが、このワインは4種類のぶどうを主にブレンドしているもの。
「アルザスのワインの入門編ともいえるワイン。選別したぶどうの2番手をブレンドしているから、値ごろ感があるしおいしいんです」。と田村さん。
その言葉通り、白い花の香りと程よい酸味の余韻が味わえるさわやかなワインは、飲んでいて楽しくなるような味わい。きっと食卓を囲む相手との会話も弾むはずです。
イタリア半島のふくらはぎのあたりにある、海と山に囲まれたマルケ州生まれの赤ワイン。このワインを生産するオッフィーダは、イタリアでもっとも美しい村のひとつとして知られ、オーガニックの農業が進んでいる場所で、村のぶどう農家の8割ほどがオーガニック。
「しっかりと仕上がっていますが、素直な味わいで飲み疲れしないワインです。濃いけど重くなりすぎないので、濃いワインは苦手という人にもおすすめできます」。
最後に紹介してくださったのは微発泡、それも赤ワイン。スローフード協会の会員で、アグリツーリズモも行っているピエモンテ州の生産者のもの。
「けっこう甘いです。でも、なにも足していなくて、ぶどうの甘みのみ。その分、アルコール分は軽めで5~6%くらい。とても華やかだし、すんなりとした甘さなので、デザートワインにもいいと思います。きっと読書しながらグラスを傾けていたら、気づくとなくなっている、なんていうワインですよ」。
デザートワインとしてだけでなく、ティータイムにも。アフタヌーンティーのスイーツやサンドウィッチ、ナッツの入った焼き菓子などによく合うそう。優雅なひとときを与えてくれそうです。
オーガニックとは、ライフスタイルそのもの。
豊かに生きるための人生の選択。
「オーガニックの本来の意味は、ライフスタイルそのものをいいます。将来を考え、持続性のある農業や環境に配慮するライフスタイルは、人生を豊かなものにしてくれます」。と田村さん。ワインを選ぶにも、自分のからだのためだけでなく、環境保護や未来につながるものを選ぶのも考え方のひとつ。そんなことに思いを巡らせ、話をしながらワインを飲む週末もまた、楽しいかもしれませんね。