植物のある暮らし 第3回「カーネーション」

母の日に、感謝を込めて。

母の日に、感謝を込めて贈る花として、古くから親しまれているカーネーション。
ゴージャスさと可憐さをあわせもつ、フリルのような花びらが重なり合うさまと、
すっとした端正な草姿が魅力です。

赤やピンクだけでなく、花色が多様なのもカーネーションの魅力のひとつ。
こんなシックな色合いのものを選んでボックスフラワーを作れば、
お母さんへの贈り物にも喜ばれそうです。

「ボックスフラワーは、花を束ねてボックスに入れるだけのとてもシンプルなもの。誰にでも簡単にできるので、ちょっとした贈り物にいいですよ」と橋本さん。

花を束ねるときのコツは、一番上に来る花の高さをそろえること。花が一輪ついているものはそのまま、枝分かれしているものは高さの合わない枝を落としていきます。


 高さをそろえたら、花瓶に生けたときに水に浸かる部分の葉を落とします。
葉が水に浸かってしまうと、そこから傷んでしまうためです。
花持ちを良くするためにも、ここは丹念に。


 「花を束ねる時に使うのは輪ゴムでもいいですが、ラフィアを使うとお洒落です。木の皮でできたリボンで、さまざまな色があるので、花束に合う色を選ぶことができます」。

ラフィアを結ぶ位置は節の下のところに。
カーネーションはそこから手折ることもできるほど節が折れやすいので、そこに当たらないようにリボンを結びます。

用意したボックスの高さに合わせて切り、ボックスに生けます。
「カーネーションは乾燥に強いので、数時間の持ち歩きなら水に浸かっていなくても大丈夫。母の日にちょっと訪ねる時にも心配がいりません」。

プレゼントとして渡したら、紙コップに水を入れたものをボックスに入れれば十分だそうです。

「さらにグリーンを足してあげるとより締まった印象になりますよ。おすすめはアイビーです」。

部屋で育てているアイビーを1本切って、花束に差し込んで、
ぐるりと回してからボックスへ。
 

瑞々しい緑がカーネーションを引き立ててくれます。
ちなみに、アイビーの花言葉は、永遠、子孫繁栄などだそう。

「たとえば、ボックスの中に入れる花束を2つに分けておいて、ひとつはお母さんに、もうひとつはおばあちゃんに、なんていうプレゼントの仕方も素敵だと思います」。

ひとつのボックスフラワーに、ふたりへの感謝を込めるのも素敵ですね。

花の高さをそろえたりして残ってしまった、
枝の短いカーネーションやアイビーは、
食卓に飾る小さなアレンジメントに使うのもいいでしょう。

湯呑などの小さな器に食品用ラップを丸めて入れ、水を入れます。

そこにセロテープを井の字に貼り付けます。
これが花留めになって生け込みやすくなるのだそう。


 アイビーを生けてからカーネーションを中央にこんもりと生ければ、アレンジの出来上がりです。

母への感謝を込めたボックスフラワーの名残をこんなふうに生ければ、
日頃頑張っている自分への、ささやかなねぎらいにもなりそうです。


橋本美穂(はしもと・みほ)
第一園芸ホテルオークラ店に勤務。 その後、ヒビヤフラワーアカデミーでのインストラクターを経て2003年独立。リリー オブ ザ バレイ サロン ド フルール代表。

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