お茶の原点「ほうじ茶」を愉しむ

滋賀・近江の地で育まれた近江茶は
1200年以上の歴史を持つ「お茶の原点」

 忙しい毎日の中で一息つきたいときに、おいしいお茶があると、凝り固まった心や体がほぐれていくような気分になります。このコンテンツでは、お茶の種類やおいしいいれ方、お茶に合うお菓子や茶器の紹介など、お茶のある暮らしを提案していきます。第1回はgenten monococoroで取り扱っている滋賀県の近江茶を紹介しましょう。

比叡山の山麓にある日吉大社の一隅には、日本最古の茶園といわれる日吉茶園があります。今から約1200年前、比叡山の延暦寺を開いたことで知られる最澄が、唐から持ち帰ったお茶の種を蒔いて育てた茶園が現代まで受け継がれているといわれています。寒暖差のある気候と、お茶の栽培に適した豊かな土壌に恵まれた滋賀県・近江の地で育まれる近江茶は、まさに日本のお茶の原点といえるでしょう。


幅広い世代が愉しめる
香り高く「近江茶のほうじ茶」

 表面にgentenのカットワークが彫られた湯呑みは「セメントプロデュースデザイン」とのコラボレーション商品。革製コースターは非売品。

2017年、GINZA SIXにgenten monococoroをオープンするにあたって「お客さまの暮らしをさらに豊かにするような、ライフスタイルの提案ができる商品を届けたい」という想いが私たちにはありました。その想いを形にした商品のひとつが「近江茶のほうじ茶」です。

「近江茶のほうじ茶」は、近江茶の老舗である「近江茶 丸吉」とgentenのコラボレーション商品です。四季を愉しみ、自然を愛する、日本ならではの文化を取り入れた暮らしを提案できるものを求めて、日本茶のルーツを辿ったところ、近江茶に行き着いたのです。日本のお茶の原点である近江茶と、私たちのブランド名でもあるgentenの運命的とも言える出会いでした。

「近江茶 丸吉」は、明治35年に創業。近江の地で150年以上続くほうじ茶の専門店です。茶葉の種類や焙じ方の違いで、ほうじ茶だけで10種類もの種類があります。「近江茶のほうじ茶」には、厳選された深蒸し一番茶葉を丁寧に焙煎した、深く豊かな香りとすっきりした味わいを持つ茶葉を使用しています。

ほうじ茶は、高温で焙じる過程でカフェインが抜けるので、赤ちゃんからお年寄り、妊婦さんまで安心して飲むことができます。また、独特の香ばしい香りにはリラックス効果のある成分が含まれているといわれています。数多あるお茶の中から、私たちgentenがほうじ茶を選んだのは、どんなシーンでも、誰もがおいしく飲むことができて、心にも体にも、やさしいお茶だからです。

「近江茶のほうじ茶」は、家庭ではもちろん、職場や外出先でも、お湯さえあれば気軽に楽しめるティーバッグタイプ。ティーバッグ部分には、とうもろこしのでんぷん由来の自然な素材が使われています。使用後はバッグごと生ごみとして処分でき、最終的には土に還すことができます。自然の恵みをいただいて商品を作る以上、自然環境に配慮することもgentenのものづくりに込められた理念のひとつです。

パッケージには、gentenの皮革製品と同じ牛革パーツをアクセントとして配し、しおりとして使えるようになっています。リピーターの方にも楽しんでいただけるように、牛革パーツの色はランダムに変化させています。ちょっとした手土産やギフトとしてもおすすめです。


お茶の旨みを最大限に引き出すために
細部まで職人技が光る急須

 genten monococoroでは「近江茶 丸吉」が「ほうじ茶をいちばんおいしくいれることができる急須」と推奨している常滑焼の窯元「北龍窯」の急須も取り扱っています。平安時代の終わりから壺や器などが作られていたという常滑焼は、瀬戸や信楽と並ぶ日本六古窯の一つです。

常滑焼に用いられる土には優れた耐水性があり、急須づくりに向いているといわれています。土には鉄分を多く含み、そこにお茶のタンニンが反応することで、お茶の渋みや苦みがやわらぎ、まろやかな味わいが引き出されます。

急須の内側の茶こし部分には、金属製ネットではなく職人が手作業でひとつひとつ細かな穴を開けた、陶器製のフィルターが配されています。これによって金属臭などの雑味がなくなり、お茶本来の旨味や香りを心ゆくまで味わうことができます。

ひとりのときも、大切な人と一緒のときも、おいしいお茶があれば、ほっとくつろいだ豊かな時間を過ごすことができます。たった一杯で、いつもの暮らしを少し素敵なものに変えてしまう、そんな幸せなパワーを持つお茶の世界を、これからもお届けしていきます。