18年春夏コレクション アキナバラ

天然素材を天然の染色方法で染め上げる。
2018春夏コレクションは、「大島紬」がモチーフです。
― 第一和:紬(つむぐ)「アキナバラ」

女性の憧れの着物といわれる大島紬。約1,300年の歴史を持つという鹿児島県奄美大島の特産品で、フランスのゴブラン織、ペルシャ絨緞とともに世界三大織物のひとつに数えられ、織物の最高峰と讃えられています。gentenが今シーズン注目したのは、そんな大島紬のスピリットです。

天然繊維である絹糸を、泥染めと呼ばれる天然の染色方法で染め上げ、島の自然や文化などから着想を得た紋様を複雑に織り出す大島紬。まさに自然と共存した織物であり、着れば着るほど体になじんで風合いも深まります。さらに「親子三代」といわれるほど丈夫で、流行に左右されず、長く愛用ができます。

それは、私たちgentenのバッグが目指す想いとも共通しています。



大島紬の柄の中でも別格といわれる古典柄を
十字の型抜きとステッチで表現しました。

春夏コレクション「アキナバラ」は、数ある大島紬の柄の中でも女性物の最高位、別格などと称される「秋名(あきな)バラ」柄がモチーフです。「秋名」は地名、「バラ」は琉球語で笊や籠のことで、生活道具である竹笊の編み目の意匠と伝わっています。

格子柄に十字を合わせたデザインは、100年以上前に生まれたとは思えないほどモダンな趣で、私たちも一目で「これをバッグにしたい!」と惚れ込み、創作意欲をかきたてられました。

その特徴的な柄をどう表現するか。行き着いたのが、型抜きとステッチでのアレンジです。十字の型抜きから内側の生地をのぞかせることで、春夏らしい軽やかな印象に仕上げました。

市谷本店では現在、店内の各所で秋名バラ柄の装飾を目にしていただくことができます。



上品なツヤを放つ、最高品質の革を使用。
自社工場だからできる手の込んだ作り。

「アキナバラ」に使用した革は、「トスカ」シリーズにも採用しているgentenの定番素材「Miinerva BOX(ミネルバボックス)」。イタリア・フィレンツェで1,000年以上の歴史を持つ手鞣し・手染め製法のソフトレザーで、大島紬が持つ渋みの中にある上品なつやとしなやかさを表現するのにもふさわしい革です。

とくにバッグはパッチワークを採用することで、手織物に通じる仕事ぶりの丹念さ、やわらかな表情を追求しました。また、よく見ると、パーツ一つ一つの色味や皮目の微妙な違いがわかるかと思いますが、これは最高品質の革を余すことなく使用したいというエコな利点、革への愛情も形にしているのです。

通常生産の際に出る「落ち革」を使用し、エコかつエシカルです。

同革で包んだ丸いバックル使いと、革紐のループエンドに、鹿児島県産の竹を使ったあしらいも、注目していただきたいポイント。

gentenのバッグを和装に合わせる方も少なくありませんが、「アキナバラ」はまさにカジュアルな装いから、着物にも合わせやすいバッグだと思います。ぜひ一度お手に取ってみてください。

後編の「アザリ」では、この「紬」シリーズに冠された“第一和”の秘密もご紹介します。

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