蔵前めぐり「SyuRo(シュロ)」

この街だから実現できた
古くて新しいプロダクトデザイン

蔵前から御徒町方面へ10分ほど歩いた所、小さな工場やアトリエが立ち並ぶ一角、鳥越神社の近くにSyuRoはあります。配管がむきだしの高い天井に、太い鉄骨の柱……。古い工場をリノベーションした店内は、無機質でありながら、どことなく懐かしくもある不思議な空間。こちらはプロダクトデザインを手がけるSyuRoのセレクトショップです。コンセプトは「モノがたりのあるモノづくり」。日本の伝統や職人の技を暮らしの道具に取り入れた、シンプルなデザインのオリジナルアイテム、独自の審美眼でセレクトされたアンティーク、家具が並びます。

「かっこよくてあたたかいもの。思いやりとか心意気、そんな空気を生活デザインとして伝えていけたらいいなと思います」とデザイナーの宇南山さん。もともと宇南山さんは台東区のご出身ということもあって、この場所にアトリエを構えたのだそう。かっこよさと下町のあたたかさが共存しているのも納得です。



かつて生活の中にあった伝統の技に
デザインを加えた新しい定番

そんな店内の中でも特に異彩を放つのが、整然と並んだ金属の缶です。ブリキや真鍮、銅の色や質感がそのまま生かされた、美しくシンプルな丸い缶。どこから見てもなめらかな線を描くように、職人さんが一つ一つ丁寧に作り上げているのだそうです。余計な装飾がない分、色や質感の変化を楽しむことができるのも魅力。コーヒー豆や茶葉を入れて、毎日一緒に過ごしたくなる逸品です。

SyuRoらしさを取り入れたテーブルウェアもありました。鉄分が多く含まれる土で作った“せっ器”シリーズです。陶器よりも硬く、まるで石や鉄にそのまま料理をのせているような質感。シンプルでいながらも、あたたかみのある雰囲気はまさにお店のコンセプト通り。

他にも洋服、小物、食器にいたるまで、シンプルなデザインと使いやすさに加え、質感のある素材と抑えた色味のものが多く、男女問わずにお気に入りが見つかるショップです。こちらも第1回目でご紹介した「月イチ蔵前」にも参加されているそうなので、毎月第一土曜日にぜひ立ち寄ってみてください。

スタッフの石洞さんのおすすめは、今年の新作でもある大判ストール。風合いの良いリネンを後染めで染色。「やわらかな肌触りと繊細な色味で大人にぴったりです。大きいのでひざ掛けやスローにしても」

SyuRo(シュロ)
住所:東京都台東区鳥越1-16-5
電話:03-3861-0675
営業時間:12:00~19:00
定休日:日曜・祝日不定休(第一日曜日は営業)
http://www.syuro.info/

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